実習生、支え合い10年 在日インドネシア人 「東北家族」に600人

 東北6県で暮らすインドネシア人の生活を支援する「東北家族(KELUARGA TOHOKU)」が来月で結成10年を迎える。当初は日本人と結婚をしたイ人が集まり、会員は9人からスタート。次第に技能実習生の生活支援をするようになり、現在は在日の会員数だけで約600人。うち9割を実習生が占める。 

 代表のイスワユディさん(45)=通称ユディ=は「私も16年前に日本に初めて来て、ミスコミュニケーションが多かった。その境遇は実習生と同じ」と自身の体験を重ね、サポートに回っている。
 ユディさんは、JICAの事業で来イした日本人女性と結婚。東ジャワ州ルマジャン県から16年前に来日し、仙台市で暮らす。2009年ごろ、東北在住の同様のイ人9人と集まり、東北家族の前身「サハバット(Sahabat)」を立ち上げた。代表は、ユディさんと、東ジャワ州パニュワンギ県出身のワフユ・スコチョー・アリさん(40)の2人だ。
 東北家族は、東北在住のイ人の相談を受けるうちに、実習生の相談窓口になっていった。以前は「会社で殴られた」「実習が厳しいから帰国したい」といった相談もあった。実習先から被害を受けた場合は、写真や動画を撮り、監理団体や送り出し機関に相談するようにアドバイスしている。
 「(実習生を受け入れ、監理する)組合があっても、実習生は組合の日本人に、100パーセントの心で話せない」とユディさんは言う。「(支援業務は)本当は組合がやることですが、私たちは実習生の安全のためにやっている」と話す。
 各県、各地域に実習生のリーダーを設け、相談が寄せられたら、リーダーを含めて話し合う。相談や対応の事例は、東北家族の集会などで全体で共有する。
 対応に困る相談もある。実習生が会社で問題を抱えても、警察や外部への相談をためらうケースだ。来日する際に借金をしてきた実習生は、帰国させられたら返済ができないとの不安にかられ、相談をちゅうちょしていたという。送り出し機関にインドネシア国内の土地を差し押さえられることを警戒し「『けがをしても我慢しないといけない』と思う実習生がいた」とユディさんは話す。
 ただし、ユディさんは「トラブルのほとんどはミスコミュニケーションが原因」という。実習生から「日本人の言葉がきつい」という相談を受けた際、日本人の同僚を交え、食事会をしたところ、打ち解け、言葉遣いも柔らかくなった。
 最近では実習先とのトラブルの相談は減っている。東北家族が活動を始めた当初は「顔が狭く」(ユディさん)、相談者をうまく助けられないこともあった。今は行政や警察、実習生の関連団体ともつながり、年5回の交流会や相談のほか、元実習生の来日セミナーを開いたり、警察の交通安全教室を開いたりしている。
 ユディさんは、実習生は「インドネシアの国を背負っている」と言う。相談を受ける際もそう伝え、激励するという。これから訪日する実習生には「言葉や文化で分からないことがあれば、正直に『分からない』と言う。『はい』と言うと、余計に問題になる。抱え込まず、相談をしてほしい」と呼び掛ける。
 ユディさんは、フェイスブック「Yudi Suko」で検索し、メッセンジャーで連絡を取れる。(木許はるみ)

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