トラ密猟に禁錮3年 リアウ州 妊娠中の母トラ死なせる
リアウ州トゥルック・クアンタン地裁はこのほど、スマトラトラを密猟のために殺害したとして、生物自然資源・生態系保全法違反の罪で起訴された男性(41)に、求刑通り禁錮3年と罰金1億ルピアの判決を下した。自然保護当局は有罪判決が再発防止に効果があると歓迎している。地元メディアが報じた。
判決によると、ファラリニ・ハラワ被告は同州クアンタン・シンギンギ県ムアラ・レンブ村のリンバン・バリン野生動物保護区内で、獲物が縄で包まれるタイプのわなを仕掛け、かかったスマトラトラ1頭を死なせた。2018年9月25日、保護区の職員が死んでいるトラを発見。解剖の結果、死んだトラは雌で2匹を妊娠中だったことがわかった。
判決を受け、スハルヨノ・リアウ自然資源保全センター(BBKSDA)長は、地元メディアに「同じようなケースの再発防止につながる」と歓迎を表明。今後も仕掛けられたわなの摘発、除去活動と周辺住民への周知活動を継続していく方針を示した。
スマトラトラは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで、全7段階のうち下から3番目の絶滅寸前種(CR)に指定されている。環境林業省によると、18年12月中旬時点で、野生の生息数は603頭。同省は保全活動を行う団体や機関と連携し、個体数増加に向けた保全活動を16年から実施している。(中島昭浩)