高速通信網5~6月完成へ パラパ・リング事業
ルディアンタラ通信情報相はこのほど、光ファイバーを用いた高速通信網を国内全土に敷設する「パラパ・リング」事業の進ちょく率が91%に達したと発表した。5~6月までの完工を目指す。地元メディアが報じた。
パラパ・リングは、全34州514県・市を東部、中部、西部の3エリアに分けて光ファイバーケーブルを敷設する、政府初の大規模通信環境整備事業。1998年に始まったが、アジア通貨危機でいったん頓挫した後、ユドヨノ政権下に再始動。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)政権は、電子決済などデジタル産業の発展に向けたインフラ整備策の肝として注力してきた。
通信情報相によると、スマトラ島、ジャワ島西部とカリマンタン島西部が含まれる西部事業は2018年3月に運用を開始。ことし1月からはジャワ島東部、カリマンタン島中~東部、バリ島やロンボク島など小スンダ列島西部、スラウェシ島、北マルク州の中部事業が完成した。東部事業のフローレス島など小スンダ列島東部、マルク州、パプア島などでは、ケーブルが敷設できない山間部も多く、波長が短く直進性の強いマイクロ波で中継する。
通信情報省によると、現時点で国内で高速通信規格として呼ばれる4G・LTEが97%の地域をカバーし、人口の約9割が利用している。固定回線よりも携帯端末のインターネット通信が高速になったという。
パラパ・リングは地上2万1708キロ、海底3万5280キロの計約5万6988キロの光ファイバーケーブルを敷設する。事業の名称は、一元的なテレビ放送を実現した通信衛星「パラパA1」にちなむ。(中島昭浩)