空港内で窃盗 年間37件 携行品や貨物、組織犯行も スカルノハッタ空港
バンテン州タンゲラン市のスカルノハッタ空港警察はこのほど、2018年1月からことし1月までに、空港内で確認された窃盗事件は37件、容疑者は計31人だったと明らかにした。空港利用客の携行品や荷物のほか、貨物などの被害が続出。清掃会社従業員による組織的犯行もあった。
日刊紙コランテンポなどが報じた。空港警察によると、窃盗が多発しているのはターミナル内で、利用客のかばんや携帯電話、パソコンなどの携行品、スーツケースなどの荷物が盗まれるケースが多いが、空港設備や機内設備、空輸貨物なども狙われている。
最近のケースでは、同警察が21日、韓国へ輸出される予定だった衣服(5億ルピア相当)を窃盗したとして、36歳から53歳までの男5人を逮捕したと発表した。
犯人グループは18年9月、西ジャワ州ボゴール県チアウィの衣服輸出業者から、空港までの輸出衣服の運搬を引き受け、空港内の貨物エリア付近にある駐車場でほかの車に衣服を移して盗んだ疑い。
衣服全3897点のうち、韓国に届いたのは993点だったといい、業者からの被害報告を受けた警察は調べを進めていた。5人は18年12月から19年1月にかけて別の場所で逮捕されたが、警察はリーダー格とみられる残り1人の行方を追っている。
ターミナルでの窃盗事件では、18年5月に15歳の男子中学生が乗客になりすまし、計10個のスーツケースを窃盗したケースがあった。男子生徒は、用意していた自身のスーツケースと紙袋を持って到着ロビーに向かい、手荷物受取所出口の係員に「スーツケースを取り忘れた」などと話して侵入。ベルトコンベヤーで運ばれてくる荷物からスーツケースだけを選んで持ち帰っていたという。
10月には、第3ターミナルやホテルなどを結ぶ電線が切断される事件があり、警察は2人を窃盗容疑で逮捕。また、国営ガルーダ・インドネシア航空の機内から、トイレなどの備品やイヤフォンなどを盗み出し、通販サイトで販売していた機内清掃会社の従業員5人を組織的犯行として摘発した。
同空港を運営する国営第2アンカサプラの通信法務担当のフェブリ・トガ・シニアマネジャーは、窃盗事件対策として、数年前から警備員や監視カメラ(CCTV)を増やし、現在は約2千の監視カメラが空港内に設置されていると説明。また、人の動きや車の動きを監視する運用管理センターを設けるなどして警備を強化しているという。(上村夏美)