父の家具輸出業越え 大統領次男の揚げバナナ店 1年強で65店舗に拡大

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領の次男カエサン・パンガルップさんが手がける揚げバナナ専門店「サン・ピサン」が、家業の家具輸出業の業績を上回ったことが分かり、大統領はソーシャルメディアの公式アカウントから「生産コストや利益を聞いたら、私の家具工場が負けていた」と成功を祝った。2017年末の創業から1年強で店舗数を65に拡大している。    

 1号店は、17年12月に中央ジャカルタ区クマヨランのショッピングモール、ITCチュンパカマス内フードコートにオープン。バリや北スラウェシ州マナド市では、お土産に購入する外国人観光客もいる。
 創業前は友人のアパートメントで試作を繰り返した。試行錯誤の末に完成したチキンナゲット型の揚げバナナはその名も「ナゲット・ピサン」。
 以前はシェフになりたかったというカエサンさん自身が主導してメニューを開発しており、「キッチンは私の場所。今後はインドネシアを代表する、特色ある味を開発していきたい」と意気込んでいる。西スマトラ州のミナンカバウ伝統のチリソース「バラド」などを例に挙げた。
 チョコやグリーンティー、バニラ、ストロベリーなど甘めのソースに加え、チーズやアボカドも用意。追加でチーズやミロの粉末、アーモンド、ピーナツ、シリアルのココ・クランチをトッピングでき、1箱10個入りで2万ルピアから。
 春巻きの皮で巻いて揚げた「バンロール」もある。ターゲット層は「甘いもの好きな」ミレニアル世代が中心。
 材料はすべて国産。バナナは西カリマンタン州ポンティアナック市やランプン州、ヌサトゥンガラ諸島産など。
 18年9月には西ジャワ州デポック市に初の店舗を開いた際、カエサンさんは、バナナを材料にした理由を「インドネシア人はみんなバナナが好きだから。それにマンゴーのように季節で味が変わることがなく、毎日営業するにはもってこいだった」と語った。
 中部ジャワ州ソロ市で家具輸出業を立ち上げ、同市長時代に庶民派市長として脚光を浴び、ジャカルタ特別州知事を経て大統領まで駆け上がった父、ジョコウィ大統領。「ゼロから立ち上げた家業を継いでくれないのかと思ったが、すでに54店舗まで拡大したことに感激した」との投稿に、カエサンさんはすかさず「父さん、65店舗だよ」と間違いを訂正していた。
 長男のギブラン・ラカブミンさんは、衣料ブランドやマルタバック(インドネシア風お好み焼き)店などを展開している。(中島昭浩、写真も)

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