反大統領アカウント削除 フェイスブック ヘイトやフェイク拡散と
米フェイスブックは1日、ウェブ上で憎悪表現やフェイクニュースを拡散していたとして、インドネシアの「サラセン」を名乗る集団に関係する多数のフェイスブックアカウント、グループなどを削除したと発表した。4月に投開票が行われる大統領選への影響を抑えるためとしている。ロイター通信などが報じた。
「サラセン」は中世ヨーロッパでムスリムやアラブ人を指した言葉。
地元メディアによると、集団のリーダーはジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領の対立候補であるプラボウォ氏への支持を公言。15年からフェスブックで同大統領を特定民族と絡めて中傷する内容を拡散したとして、17年に情報・電子商取引法違反で起訴され、18年6月にリアウ高裁で禁錮2年の判決を受けた。
今回削除されたのはフェイスブックの207のページと596グループ、546のアカウントで、計約17万人がフォローやグループ参加をしていたとみられる。また、傘下の写真投稿サイト、インスタグラムでも208のアカウントが削除された。
国内のフェイスブック利用者は1億人を超え、世界3位の規模を持つ。同社はアイルランド、シンガポールの拠点から、憎悪表現などの拡散を防ぐため、監視活動を続けていくとしている。(大野航太郎)