復興道半ば、「島に仕事を」 岡本さん、パン屋開業準備

 昨年8月5日の地震で被災した北ロンボク県東プムナン村在住の岡本みどりさん(41)は、地元住民と共に避難生活を送ってきたが、昨年12月、損壊の少なかったわが家にようやく戻った。だが観光案内業をするロンボク島出身の夫をはじめ、観光で生計を立ててきた住民たちは仕事が少なく、復興は道半ば。「現地の人の仕事を作れるんじゃないか」。栄養士の資格を生かし、以前からやりたかったというパン屋の開業に向けて動き出した。
 地震を恐れてテントや屋外で過ごす生活が長く続いたが、家で料理をしたり市場で食材が手に入りやすくなったりと日常が戻りつつある。「でも観光客はまだ来ず、仕事を再開できない運転手や雇い止めにあった人もいると聞く」。夫が案内するツアー会社も、繁忙期には1日100人超いた客が閑散期の今、20人程度まで落ち込んだ。
 「だけど地震がこのまま起きなければ、きっと観光客は戻ってくる」。自宅近くのバンサル港からはリゾート地・ギリ3島行きの船が毎日出ていて、「ホテルなどに卸せるかもしれないし、防災意識が高まれば備蓄用のパンも作れるかもしれない」と考えた。地震の約1か月後にはパンの試作を始め、娯楽が限られた避難生活中、5歳の娘や近所の子どもたちも一緒にピザやクッキーづくりを楽しんだ。
 開業準備のため保健局や税務署を訪れると、地震で建物が壊れ、今なお敷地内のテントで仕事をしていた。「みんな頑張っている」。地元の復興を後押しすべく、今は地元食材を使ったベーグルを考案中だ。(木村綾、写真も)

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