火山の迫力、豊かな自然 スンダ海峡スベシ島  被災前は観光客も

 アナック・クラカタウ山から15キロほどの北東にある、ランプン州南ランプン県のスベシ島。12月22日のスンダ海峡津波以降、一時は住民の大半が避難していたが、これまでに多くが戻り、島外からの支援に頼りながら生活している。島内にあるビラ、宿泊施設は被災し、今は観光をおすすめできる状況ではないが、復興が進めば火山群の迫力や豊かな自然が旅行者を引きつける可能性はある。

 スベシ島は活発な火山活動を続けるアナック・クラカタウ山から最も近い島として、国内外の旅行サイトで紹介されるなど、被災前は火山好き・自然好きの観光客を集めていた。最近までは、船をチャーターした釣りやシュノーケリングも楽しめたという。
 島の面積は2600ヘクタールほどで、人口は約2800人。被災直後は約2300人が島外に避難していたが、1月初旬から計2千人ほどが戻っている。島内には最大規模のトゥジャン村と4つの小村があり、中央には800メートル超の山がそびえ立つ。津波で道路や住居、船などが被害を受けたが、トゥジャン村では死亡、行方不明者はいなかった。山を登って津波から逃れたと語る住民が多い。
 北東部の港には津波の被害がほとんど見られず、現在は支援物資や修理品の輸送経路として機能している。しかし、多数の船が津波で破壊され、旅行者用の便は現在運行できていない状態だ。
 また、重機のない離島のため、破壊された住居などの撤去作業が、バンテン州のタンジュンルスンなどと比べて遅れており、海岸沿いには破壊された家々が無残に残る。島では住民らが流木や家の残骸をまとめ、燃やして処理している姿が見られた。
 道路は南西の海岸に近づくほど荒れていく。大きくひび割れ、バイクに乗ったままでは通れない場所もあった。ワルンなど小売店は、営業を再開しているが品薄で、海沿いの店ではショーケースが泥まみれだったり、割れていたりする。
 一方で、中央の山から取れるバナナやココナツなど、新鮮なフルーツは健在だ。トゥジャン村役場によれば、被災前から住民の約8割が果物の栽培、販売で生活しているという。南西方向の水平線にうっすらと浮かぶアナック・クラカタウ山。夕焼けで真っ赤に染まっていく山影を見ながら飲むココナツジュースはリゾート気分を盛り上げるが、危険な火山であることには十分注意したい。
 船や機材がなく、復興はこれからも難航するとみられる。被災者は安全な生活のため、島外に出る人もいるが、政府の住宅支援に期待し、残ることを決めた人も多い。生来同村に住み続けているカリヨノさん(52)は「ずっと火山を見ながら生活してきた。被災の被害は大きいが、俺はこの景色が好きだ」とほほえんだ。(大野航太郎、写真も)

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