LGBT規制条例策定へ 差別拡大の恐れ 首都圏デポック市議会   

 ジャカルタ首都圏の西ジャワ州デポック市議会が、LGBT(性的少数者)の活動を監視する条例の策定に向けて動きだした。法律専門家は規制より上位の法律に反しているとして無効性を主張し、人権擁護団体は人権侵害に当たる恐れがあるとして条例案や以前に出された市長決定の内容の調査を進めている。15日付日刊紙コランテンポが伝えた。

 市条例の策定は、グリンドラ党、開発統一党(PPP)、闘争民主党(PDIP)、ゴルカル、国民信託党(PAN)、福祉正義党(PKS)の各党のほか、ハヌラ党、ナスデム党、民族覚醒党(PKB)の3党から成る超党派の、計7会派が3日の本会議で一致した。現議会(50議席)に議席を持つ全政党の支持で提案されたことになる。
 策定理由についてグリンドラ党会派のハムザ議員は「LGBTは、(イスラムの聖典)コーランで求められていることに反する『ハラム』だ」と述べた。
 市政府は18年、反LGBTとも取られる市長決定や市と市社会局通達を出した。いずれも「偏った性的行為」を監視し、見つけ次第通報するよう求めている。モハンマド・イドリス市長は「LGBTでなく、児童に対する性的暴行やHIV、エイズといった病気を予防するためのもの」と説明している。
 これらの指示で「市民が自ら裁判官となって、LGBTを断罪しかねない」と警鐘を鳴らすのは、法律援護協会のヘンドラワルマン・コト代表。法律専門家のビフィトリ・スサンティさんも「インドネシアの司法は宗教とは別で、コーランやハディス(イスラムの預言者ムハマドの言行録)を法律や規制の根拠としてはならない」と指摘する。
 南ジャカルタに本部を置くLGBT擁護団体「アルス・プランギ」は、市長決定や通達の中に人権法に反する項目がないか調査を始めた。
 同擁護団体によれば、西ジャワ州チアンジュール、カラワン、インドラマユとバンカブリトゥン州でLGBTを差別するような通達が18年中に出されたという。
 同年11月には西スマトラ州パダン市長が、「不道徳」としてLGBTを市内から根絶すると宣言。12月20日に同性愛者のカップル1組が警備隊によって拘束されるなど、すでに10人以上が摘発された。市は罰則策定を進める方針。(中島昭浩)

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