「宗教行為理由に虐待」 拘束体験女性が証言 中国のウイグル族収容所

 「収容されている人たちは、イスラムの礼拝の仕草を見せると虐待を受けた」——。インドネシアを訪れているカザフスタン国籍のウイグル族の女性ギュルバハル・ジャリロワさん(54)が12日、中央ジャカルタで記者会見し、1年4カ月にわたり、中国の新疆ウイグル自治区の再教育キャンプに収容されていたときの体験として証言した。

 ギュルバハルさんは約20年間、カザフと中国を行き来し、貿易に従事してきた。2017年5月に新疆ウイグル自治区のウルムチで、不正送金の容疑で中国当局に逮捕され、自治区内の再教育キャンプに入れられたという。
 「キャンプでは、中国の身分証明書の提示を求められた。私は、外国人で、違法行為はしていないと訴えた。しかし、縦横7メートル×6メートル、高さ3メートルの息が詰まるような雑居房に閉じ込められた」とギュルバハルさんは語る。
 早朝から深夜まで壁の前に集められ「頭を左右に動かしただけで、礼拝をしていると見なされた。顔を拭っただけで、礼拝前に体を清めたと見なされた。そうした動作への処罰として足に5キロの重しを付けられた。爪を剥がされた人もいた」
 ギュルバハルさんは虐待や拷問を目にした「ストレス」から、精神状態が悪化し、4回にわたりキャンプ内の病院に運ばれた。病院には終身刑や死刑を言い渡された人たちがいた。「薬物を投与され、ゆっくりと殺される」とも話した。
 中国のウイグル族ではないと証明され、18年9月にやっと釈放された。収容されているうちに、体重は20キロ減っていたという。
 「私はキャンプに拘束されているウイグルのきょうだいたちに、痛ましい事実を伝えていくことを約束した。キャンプで起きていることは人権への不正義だ」と訴えた。
 会見は災害などで緊急支援を行う非政府組織(NGO)のACTと、イスラムの記者団体JITUが共催、亡命ウイグル族組織幹部セイット・トゥムチュルクさんらも出席した。

■国連も懸念
 中国政府は、ウイグル族の分離独立運動やイスラム武装集団との連携を警戒、ウイグル族への締め付けを強めていると報じられている。国連人種差別撤廃委員会は昨年8月、新疆ウイグル自治区で推定数万人から100万人以上のウイグル族らが不当拘束されたとの報告があるとして、懸念を表明している。
 インドネシアでは先月下旬、ジャカルタの中国大使館前で、ウイグル族イスラム教徒と連帯するデモが行われた。ウイグル問題について、政府はこれまで「あらゆる人権侵害を防ぎたいが、他国の内政問題に介入したくない」(ユスフ・カラ副大統領、ジャカルタポスト紙)との姿勢を示している。(米元文秋、写真も)

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