謎の砂、大量投棄 北ジャカルタマルンダ団地 食用油精製用有害物質か
北ジャカルタ区チリンチン郡マルンダの公営住宅団地付近で有害物質が含まれているとみられる産業廃棄物の砂が大量に捨てられているのが見つかり、周辺住民の不安が高まっている。ジャカルタ特別州環境局は7日から不法投棄した業者の調査を始めた。地元メディアが報じた。
砂は使用済み漂白土(SBE)とみられる。パーム油から食用油を精製する過程の一部で使用され、通常は埋め立て廃棄される。使用前の漂白土はフラー土とも呼ばれ、油の吸着効果などからシャンプーや洗顔フォームに配合されることもある。
インドネシア環境科学者協会(IESA)は、SBEが長期的に体の細胞変性を加速させる恐れがあるとして、州政府に早急な対応を求めていた。
IESAのハブディ・ルビス研究員は、SBEが政令などで指定される有害危険有毒廃棄物(B3)であると指摘。放置されて長期的に雨にさらされるなどして地中にしみこめば、水道水に影響が出て5年、10年後には健康に悪影響が出ると警鐘を鳴らした。
州環境局は7日、砂を袋に詰めて回収した。不法投棄した業者の調査は、警察と郡と共に実施している。(中島昭浩)