リゾートに津波 222人死亡  噴火で海底地滑りか  スンダ海峡

 ジャワ島とスマトラ島の間のスンダ海峡で、22日午後9時27分ごろ、最大90センチの津波が発生し、バンテン州やランプン州のリゾート地などを襲った。国家防災庁(BNPB)によると少なくとも222人が死亡、843人が負傷、28人が行方不明となっている。邦人の被害は報告されていない。活発な火山活動が続くアナック・クラカタウ山(標高338メートル)の噴火で起きた海底の地滑りの影響で津波が発生したとの見方が出ている。

 国家防災庁によると、アナック・クラカタウ山が22日午後9時3分に噴火し、同27分にバンテン州セラン県チナンカ郡ジャンブ海岸に高さ90センチの津波が到達した。他の地域では、同33分にチワンダン港(アニェル)で35センチ、同35分に対岸のランプン州コタアグンで33センチ、同53分に州都バンダルランプン市パンジャン港で28センチの津波が観測された。
 被害を受けたのは、首都圏などからクリスマス前の連休を過ごしに来ていた観光客や住民らで、222人(23日午後4時時点)の死亡が確認された。沿岸の民家556棟、ホテル9棟、屋台60棟、船350隻の被害が報告されている。
 高級リゾート地のタンジュンルスンでは、国営電力PLNのイベント会場を津波が襲い、約300人の参加者の一部がのみ込まれた。高層ホテルやビラなどが並ぶ保養地のラブハン、チャリタ、アニェル海岸が被害に遭い、倒壊した建物の屋根に車が乗り上げるなどした。工場が集積するバンテン州チレゴン地区の津波被害は報告されていない。対岸のランプン州南ランプン県のリゾート地、カリアンダ海岸では35人が死亡、115人が負傷、民家110棟が被害を受けた。
 国家防災庁は噴火直後、スンダ海峡沿岸を襲ったのは津波ではなく高潮と発表したが、その後津波と修正した。同庁のストポ・プルウォ・ヌグロホ報道官は「火山活動の活発化も地震もなく、津波の前兆は予測できなかった」と説明。気象庁(BMKG)は、火山活動の影響で海底で起きた地滑りと潮位が高くなる満潮が重なり、津波が増大した可能性があるとみている。
 パンデグラン県ラブハン湾では23日昼、津波警報のサイレンが鳴り、住民が一斉に避難したが、気象庁は津波警報を出しておらず、誤作動だったと説明。気象庁は25日まで高潮が続くとして引き続き注意を呼びかけている。

■警戒レベルは維持
 アナック・クラカタウ山は、3万6千人以上が死亡したとされる1883年のクラカタウ山大噴火・津波で、海面下に陥没してできた海底火山。火山地質災害対策局(PVMBG)によると、溶岩ドームが成長して隆起し続けており、山頂はことし9月時点で標高338メートルに達した。近年は16年6月、17年2月、ことし6月に、穏やかな小規模爆発が続くストロンボリ式噴火が発生、断続的に300~1500メートルの噴煙が観察されている。
 7月13日以降は、火砕流が同山海岸付近に到達し、立ち入り禁止区域を火口半径1キロから2キロに拡大。しかし、噴火警戒レベルは12年から4段階中下から2番目の「ワスパダ(注意)」を維持している。 (蓜島克彦、12面に関連)

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