ゴジェックCEO ナディム氏を選出 米ブルームバーグ 「2018年の50人」
米ブルームバーグが6日発表した「ことしの50人」に、地場系オンライン配車サービスのゴジェック創設者のナディム・マカリム最高経営責任者(CEO)が選ばれた。食事のデリバリーや家の清掃など多種多様なサービスを展開、東南アジア各国へ進出している点が評価された。
ナディム氏は1984年シンガポール生まれ。国籍はインドネシア。2006年米ブラウン大学国際関係学部卒業。マッキンゼー・アンド・カンパニーで経営コンサルタントを務めた後、米ハーバード大学経営大学院でMBA取得。ファッション通販サイト「ザロラ・インドネシア」や電子決済サービス「カルトゥク」を経て、10年ゴジェックを立ち上げた。
手軽にオートバイや車を呼べるスマートフォンの配車アプリを開発。深刻化する渋滞に悩む市民の足として受け入れられる一方、新たな雇用機会を生み出し、現在100万人以上の運転手を抱える。1カ月の受注数は1億件を超えるという。個人経営が8割を占める食品サービス提供者は30万件に上る。
近年は電子決済サービス「ゴーペイ」の拡充に注力。米グーグルなどから資金を調達し、ことしに入り東南アジア各国へ進出、ベトナムやシンガポールでサービスを始め、タイやフィリピンにも現地法人を設立した。
インドネシアを代表するユニコーン企業に成長させたナディム氏は、ブルームバーグの50人に選出されたのを受け、「われわれはプラットフォームを提供しているが、運転手や出店者の皆さんが利用者に満足してもらい、社会のための価値を創り出している」とコメント。今後数年で「技術を利用し、社会進化の次の段階に進む」ことを目標に掲げる。
ブルームバーグのことしの50人には、韓国ヒップホップグループのBTS(防弾少年団)や米歌手テイラー・スイフト氏、スウェーデンの音楽配信サービス「スポティファイ」創設者ダニエル・エク氏などが選ばれた。(中島昭浩)