ヤマハ 輸出150万台 大統領現調化も賞賛

 ヤマハ・インドネシア・モーター・マニュファクチャリング(YIMM)は3日、東ジャカルタ区プロガドゥンの工場にジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領を招き、輸出累計150万台達成記念式典を開いた。ヤマハグループ屈指の輸出拠点として過去3年で輸出台数は急成長している。大統領は基幹産業の現地調達化と、並行した輸出振興が貿易収支向上に寄与するとして、奨励する考えをあらためて示した。
 ヤマハは1997年に輸出を開始、2014年時点では約2万3千台だったが、開発商品のヒットと輸出先の東南アジア諸国連合(ASEAN)などの経済成長を背景に数字を伸ばし、18年は33万8千台を見込む。45カ国に輸出している。
 ジョコウィ大統領は現地調達率を94%まで高めている企業努力をたたえ「これこそ私たちが追求している形だ。原料を輸入していては貿易赤字につながる」と話した。現状は生産の25%が輸出向け。「5年後には75%まで(増やしてほしい)」と激励した。
 「輸出台数は来年はもっと増える」と話すYIMMの森本実社長は16年に就任。当時は二輪業界全体が冷え込んでいた。インドネシアをグローバルモデルの生産拠点として成長させていこうという戦略の下、「すべての流れを変えようとした」と振り返る。
 現在、輸出の3割程度を占めるまで売れているNMAXなど大型のマキシスクーターを主軸に、一から戦略を練り直した。「市場が苦しい時だからこそ、世界中が欲しい物を考え抜いて勝負し、それが花開いた」と話す。
 NMAXはデザインや乗り心地、実用性などを評価され、商業省主催のデザイン賞「グッド・デザイン・インドネシア」のトランスポーテーション部門を受賞した。同社は今後、生産能力を上げていくことも視野に入れている。
 15年ごろから低迷した二輪市場は、所得向上や資源産業の好調などを背景に回復傾向にあり、18年年間では630万台程度の国内販売を見込む。輸出は17年に続き右肩上がりで、インドネシア二輪車協会(AISI)によると、10月までの主要5社の輸出台数は前年同期比45・5%増の51万610台で、ヤマハはその中でトップを走る。
 式典にはアイルランガ・ハルタルト工業相やエンガルティアスト・ルキタ商業相らも出席した。(平野慧、写真も)

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