「グラブで性暴力頻発」 営業停止求めネット署名
オンライン配車サービスを提供するグラブ・インドネシアの登録運転手による女性乗客への性暴力事件が頻発し、ソーシャルメディアで政府に営業停止を求める声が高まっている。オンライン署名収集ウェブサイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」では、2500人の署名を求めるページが立ち上がり、15日午後5時(インドネシア西部時間)までに1917人が凍結案に賛同している。
同サイトによれば、2017年3月からことし10月までに少なくとも12件の性暴力事件があった。犯行に及んだ運転手は二輪・四輪にかかわらずおり、乗客の胸をまさぐったり、みだらな内容のメッセージを送りつけたりするなどした。中には車内の後部座席に共犯者が隠れ、乗客に目隠しをして暴行しようとしたケースもあった。
10月8日には運転手にキスをされ、サービス評価で最高の星五つをつけなければ殺すと言われた乗客の友人の話が、ツイッター上に出回った。グラブ・インドネシアは10日、社の倫理規定に基づき運転手に罰則を科したと発表し収束を図ったが、その後も被害の報告がソーシャルメディアで相次ぎ、グラブ側でなく政府に対応を求めている。
チェンジ・ドット・オーグの署名募集ページには、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領とブディ・カルヤ・スマディ運輸相、ルディアンタラ通信情報相、ティト・カルナフィアン国家警察長官の4人が提出先に指定されている。
この問題について運輸省は、グラブの事件の再発防止策が不十分であれば、サービスの是正勧告を含めた措置を講じる方針。通信情報省や国家警察なども協力して対応するという。(中島昭浩)