空港鉄道はがらがら レイリンク 割引制度導入も
2017年12月に開通したジャカルタ特別州とスカルノハッタ空港(バンテン州タンゲラン市)を結ぶ空港鉄道。開通から11カ月が経過したが、平均乗車率はいまだ25~30%にとどまっていることが分かった。同鉄道を運営するレイリンクは、割引制度の導入など、利用客増加に向けて対策を進める。
レイリンクによると、現在の運行は1日に35往復。1編成(6両)の定員は272人で、1日に最大1万9040人が利用可能だが、車内はがらがらで空席が目立つ。旅行や娯楽よりビジネスや通勤で利用する人、1~2人など少人数で利用する層が多いという。そのため、週末より平日の乗客数が平均して多い。
こうした傾向からレイリンクはことし6月、グループ割引や利用回数に応じた割引制度を導入した。グループ割引では3人以上で、BNIシティ駅(中央ジャカルタ)から乗車した場合、通常1人片道7万ルピアだが、3~7人の予約で同6万ルピア、8~11人で同5万5千ルピア、11人以上では同5万ルピアとなる。利用回数に応じた割引は1カ月に8回~12回の利用で同5万ルピア、19回以上で同3万5千ルピア。
レイリンク広報のディア・スルヤンダリ氏は「空港に向かう多くの人は従来通り、車で高速道路を利用している。割引制度だけでは十分でない。空港鉄道各駅までのアクセスの悪さが一つの課題」と話す。
アクセス改善の一つとして、ガンビル駅(中央ジャカルタ)とブロックM(南ジャカルタ)から1時間に1本、BNIシティ駅(中央ジャカルタ)行きの連絡バスを運行している。
空港鉄道の停車駅は現在、ブカシ駅(西ジャワ州ブカシ市)、BNIシティ駅、バトゥチェペル駅(バンテン州タンゲラン市)、空港駅。
停車駅が少ないことも乗車率が低い一つの理由とし、今後マンガライ駅(南ジャカルタ)など、停車駅を増やすことを政府は計画している。(上村夏美、写真も)