遺体、所持品運び込まれる タンジュンプリオク港 大統領が訪問
ライオンエア機墜落から一夜明けた30日、北ジャカルタのタンジュンプリオク港に置かれた捜索拠点では、捜索隊が回収した遺体の搬送や乗客らの所持品の整理が行われた。午後にはジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が視察に訪れ、過酷な現場で働く捜索員らを励ました。
同拠点には29日から30日の捜索で集められた所持品や機体の残骸が集められた。個人を識別できるものは国家捜索救助隊(BASARNAS)などによって選別され、家族に届けるため東ジャカルタのクラマットジャティ警察病院へ送られる。
ジョコウィ大統領は午後4時ごろ同地を訪れ、黄色い手袋をつけ、約20分にわたり乗客らの所持品とみられる服や靴、かばんなどを視察。国家捜索救助隊(BASARNAS)の職員らと握手を交わした。
遺体の搬送を担当するインドネシア赤十字(PMI)によると、30日には午後7時までに遺体の入った袋五つがタンジュンプリオク港に運び込まれた。遺体は異臭を放っており、病院への搬送に同行した職員のイルファンさん(38)は「二度と忘れられない臭い」だと語る。
捜索は今後も継続される。午前6時ごろから捜索に向かい、午後5時ごろタンジュンプリオク港に戻った沿岸警備隊のルジョさん(41)は「(墜落で)バラバラになった遺体は正直恐ろしい。遺体は今後、傷みが進んで小さくなり、捜索はますます難しくなる」とこぼした。(大野航太郎、写真も)