収拾へ再発防止で合意 旗焼き捨て問題 副大統領と抗議団体
国内最大のイスラム団体で穏健派のナフダトゥール・ウラマ(NU)の自警組織バンセルのメンバーが西ジャワ州ガルットで聖句が書かれた旗を燃やした問題で、ユスフ・カラ副大統領は26日、中央ジャカルタ区メンテンの公邸で、同日モナス(独立記念塔)周辺で5千人規模の抗議デモを行ったイスラム団体の代表者らと面会し、事態収拾に向けて、再発防止などの5項目で合意したと発表した。
この件が、アホック元ジャカルタ特別州知事の発言問題のように大規模な抗議行動を招き、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)政権や大統領選の行方を左右する事態に発展するのを避けるために「火消し」を図ったとの見方もできる。
5項目は、慎重な対話と相互理解による解決を目指す▽平和的解決を目指す気運を醸成する▽問題を起こしたバンセルのメンバーに制裁を与え、再発防止策を練る▽国民に暴力的な活動を行わないように呼びかける▽法律違反を犯した場合、国家警察によって対処される——という内容。
会談は午後7時半ごろから同10時半ごろまで行われ、終了後に会見を開いた。
デモは国内各地で行われ、国家警察によれば27日に中部スラウェシ州ポソ市議会に掲揚されたメラプティ(国旗)が聖句の旗に代えられているのが発見された。
警察はデモ参加者が行ったとみて捜査している。(大野航太郎)