合宿で日本語特訓 看護師・介護士候補者200人 制度定着へ研修期間拡大 訪日まで1カ月

 二〇〇八年から始まった経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士候補者受け入れ事業で、来月に訪日を控える第五陣の候補者たちが、南ジャカルタ・スレンセン・サワの教育文化省語学教員学習センターで合宿生活を送りながら日本語学習に励んでいる。渡航前研修の終了は今月十一日。日本で正式な看護師・介護士として働くための条件である国家試験の合格には、日本語の習得が最大のネックとなっていることが明らかになっており、事前研修の期間の変更など合格率の上昇と制度の定着へ向けて試行錯誤が続いている。

 教室に入ると「こんにちは」と元気なあいさつの声が飛んできた。研修以前はまったく日本語を勉強したことがなかった候補者が学ぶ初級クラス。「『手紙を読ませました』。これは何ですか?」「使役です!」。コの字型に座る研修生が白板の前に立つ教師へちゅうちょなく一斉に答える。指導は日本人教師がすべて日本語で行う。六カ月間、衣食住をともにしてきた生徒たちには一体感があり、笑い声も絶えない。
 日本語の学習経験がある候補者に対する授業はより対話を重視したもの。「インドネシアでは習い事はありますか?」「どこで習うことができるんですか?」。質問を次々と投げ掛けて、日本語の応用を促している。
 研修に臨んでいるのは看護師が五十二人、介護士が百四十八人の計二百人。十四クラスに分かれ、日本語学習経験者が属するのは二クラス。インドネシアでの日本語研修を受託している国際交流基金の公募で集まった日本人教師二十六人が各クラスに二人付き、インドネシア人教師が一人ずつ各クラスに付きそう。
 週六日で平日は午前八時半から午後四時二十五分まで授業がみっちり組まれている。宿題も毎日課され、早朝から深夜まで日本語学習漬けの生活だ。

■「自律学習が重要」
 EPAでは病院や介護施設で働く前の事前研修を六カ月と規定しており、一年目は日本でのみ研修を行ったが、二年目は四カ月がインドネシアで二カ月が日本、三年目は二カ月がインドネシアで四カ月が日本と、毎年修正を加えている。昨年は規定の六カ月の研修を日本で行ったほかに、インドネシアで三カ月間、追加で研修。今年は追加研修の期間を六カ月に増やした。
 看護師は一年間の研修後、滞在期限の三年以内に国家試験の合格を目指す。教師陣の主任を務める松島幸男氏は、ハードルの高い国家試験に合格するのにも「期間としては十分」と話すが、就労しながらの勉強となり、受け入れ側に専門の学習指導者がいるわけではないため、「自律的に勉強できることと、受け入れ側が支援体制を整えることが重要」と説明する。
 研修期間以外の変更点として、今年は候補者と受け入れ側のマッチング作業を研修開始後に行った。受け入れ側は日本語の練熟度を評価基準に加えることができた反面、マッチングに成功しなかった約百人は六カ月の合宿生活を送ったにもかかわらず、日本へ行けないという弊害も生まれている。

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