パル湾両岸に沈下痕 中部スラウェシ津波調査

 中部スラウェシ地震による津波の調査で現地入りしている中央大理工学部の有川太郎教授(海岸・港湾研究)らは15日、パル湾の東西海岸線3カ所で、地滑りの可能性が高い沿岸部の沈下痕を見つけた。
 14日からの調査で沈下痕が見つかったのは、西側海岸線がパル市西パル郡ワトゥサンプの波止場とドンガラ県バナワ郡ボヤ村の2カ所、東側がドンガラ県シンドゥエ郡レロ村、ドンガラ県北部の震源に近いバラエサン郡マパガ海岸と土砂崩れが多発したとされるバラエサン・タンジュン郡ワランダノ村付近の南部海岸線の計5カ所。
 海底調査を実施したインドネシア海軍は、ワニ村沖の水深200~500メートルで海底地滑りがあったと発表しており、地滑りが発生した可能性のある場所は計6カ所に増えた。
 地滑りで起きる津波は、地震から津波の到達までの時間が短いことが特徴の一つ。このため、地滑り予測への対応が難しい現状の津波警報システムでは歯が立たたない。海岸からの被災範囲の多くは200~300メートルほどだった。海岸が沈下した場所は今後も増える可能性があり、有川教授は「海岸沿いの道路まで津波が達している場所は少ないので、これより山側に家を建てる。土砂崩れで道が閉ざされ、支援物資が届かなくなる状況を防ぐためにも、山側にもっと道路が必要」と語った。
 日本でも地滑り型は発生する可能性がある。有川教授は「いきなり深くなっている湾などでは、地滑りで津波が起こりうるということを、きちんと日本側にも把握してもらいたい。現状の警報システムを頼りにしている日本人には耳が痛い話」と述べ、地震発生後は高台へ避難するよう呼びかけて住民が助かった話をモデルにすべきだと話した。(中島昭浩、8面に関連)

 地滑り型津波
 海中の地滑りや陸上の土砂崩れにより急勾配な斜面など局所的に発生する津波。地滑り部分の大きさやずれ幅、滑った速さ、水深によって津波の大きさが決まる。観測至上最高の最大524メートルを記録した1958年アラスカ・リツヤ湾の津波は、山体急斜面の大規模崩落で発生。日本では、1792年の雲仙普賢岳噴火で群発した地震による眉山の土砂崩れが津波を引き起こしたとの記録がある。

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