地震から2週間 国連事務総長が視察 パル捜索打ち切り
2075人(11日政府発表)もの犠牲者を出した中部スラウェシ地震・津波の発生から2週間が過ぎた12日、国連のグテレス事務総長が被災地パル市を訪問、ユスフ・カラ副大統領らとともに地震や津波の被害現場を視察し「被災者救援と復興に取り組むインドネシア政府を支援していく」と強調した。
一方、今回のマグニチュード(M)7・4の地震による広大な液状化現象や最大11・3メートルの津波によって、依然5千人が行方不明になっているとの推定もある中、政府機関はこの日、行方不明者の捜索を公式に打ち切った。
グテレス事務総長は、液状化で48ヘクタール、1045戸の住宅地ががれきと化したパル市バラロアや、病院などを視察。
バラロアでは道路や宅地が崩れ落ちた箇所を訪れ、記者団に対し「このような破壊を目にして、心が張り裂けそうになるのを抑えることはできない。国連と全ての国際社会を代表し、スラウェシとインドネシアの人々に対し全幅の連帯感を表したい」と述べた。
また、「被災地住民の粘り強さ」や「インドネシア政府の迅速な対応」をたたえた。
被災地では、パル市内でガソリンの供給がほぼ正常化したほか、電気の復旧も進められ、中心部では食堂や携帯電話店などの一部が営業を再開している。しかし、避難民が8万7725人(11日政府発表)に上っているほか、余震を恐れ、庭や道端で寝ている人も多い。(米元文秋、写真も)