「娘は見つかるはず」 募る思い、捜索1日延長 被災地パル  

 中部スラウェシ地震・津波の被災地は11日、政府が行方不明者捜索打ち切りを予定していた日を迎えた。しかし、がれきや土砂の下には、まだ数千人の行方不明者が埋まっているとみられ、家族や友人を捜す被災者の「娘は見つかるはず」「捜索を延長してほしい」などとの思いは切実。国家防災庁(BNPB)は1日だけの捜索延長を発表したが、行方不明者家族らの納得が得られるか微妙だ。

 9月28日の地震による地盤の液状化現象で48ヘクタール、1045戸の住宅地ががれきと化したパル市バラロア。液状化でできた直径数メートルの水たまりを見つめていたドンガラ県の主婦ハリマ・アリアフ・コボさん(49)がスマートフォンの画面を見せた。
 「25歳の娘のウンム・カルスムです。助産婦をしていて、9月にバラロアへ嫁いだばかり。義理のお母さんと一緒にこの辺りで生き埋めになっているはず」とハリマさん。「毎日、見に来ています。もしかしたら見つかるかも知れないと思って。でも、これまで重機で4回掘っても見つかりませんでした。捜索を延長してくれたら、うれしい」
 ウンムさんの夫で建築技師のファフルル・ラジさん(33)は地震のとき天井の裂け目から脱出することができた。「家は約40メートル押し流された。掘るだけではなく、がれきを撤去しながら順序よく捜索してもらいたい。重機を持っていない個人ではできない」と訴える。
 バラロアでは国家捜索救助隊(BASARNAS)がこの日、4チームの120人を投入、重機6台で捜索を行った。現場の隊員は「午前中に発見できたのは七つの体の部位だけ。うち一つは大人の女性と思われるが、他は性別等不明だ」と話した。
 パル市中心部から東へ車で約30分の山間部パボヤに「地震犠牲者集団埋葬地」との高さ40センチほどの立て札がある。空き地のように見えるが、歩くと靴が3センチほど沈む。長さ10メートル、深さと長さが2~3メートルほどの穴が2カ所に開いている。
 埋葬用の穴を掘るショベルカー運転手マフディンさん(45)は「これまでに928体が埋葬された。多くは身元不明だ」と説明した。
 女性警察官ファトマワティさん(44)の母(70)はバラロアで犠牲となり、ここに眠っている。棒きれと石だけの「墓標」に花びらを散らし、ペットボトルの水をささげる。涙声で祈るファトマワティさんは、やがて手で顔を覆った。「父ときょうだいが行方不明。見つかると信じています」(米元文秋、写真も、8面に関連)

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