泥流で幹線道路消滅  1キロにわたり押し流す パル南方ジョノオゲ  

 橋を渡ると、道が消えていた——。中部スラウェシ州パル市から南方山間部へ向かうパル~パロロ幹線道路は、9月28日の地震で起きた大規模な泥流により、シギ県ジョノオゲ村の約1キロの区間で沿線の建物ごと押し流されていた。パルとの交通の動脈を失った同県の四つの郡は9日になっても孤立状態が続いており、公共事業局は復旧を急ぐ方針だが、相当な日数を要する恐れがある。
       
 シギ県に入ってまもなく、幹線道路が波打ち始めた。亀裂や深さ2メートルほどの陥没や急傾斜が至る所にあり、倒れた電柱が行く手をふさぐ。車の速度は歩行者ほどに落ちた。大きな亀裂ができたガソリンスタンドから、油の臭いが漂う。
 やがてジョノオゲ村で通行止めの棒きれに突き当たった。徒歩で橋を渡ると高さ数メートルのがけで行き止まり。がけの下から前方1キロほどには、一面に泥まみれのトウモロコシ畑が広がっていた。
 「道沿いには大きなお店もあったの。このトウモロコシ畑は左の方から何キロも流れてきて、店や家は右の方へ行ってしまった」。近隣のシデラ村の農業マイラさん(48)が顔をしかめながら話した。
 「残っている道と同じ高さで、あそこまでずっと道が続いていた」と1キロほど先の建物を指さす。道路と街並みが厚さ何メートルかの土地ごと押し流されたことになる。
 ジョノオゲ村の第2ドゥスン第2隣組(RT)長の農業バンバンさん(46)は家を失いシデラ村に避難している。
 「私が家の前にいた息子(10)に『逃げろ』と叫び、妻が家から出て2、3秒後に泥が家を押しつぶした。泥がのたうち回り、家は沈んだ。家族と二度と会うことはできないだろうと思った」と地震直後の様子を語る。
 泥流被害は幅1キロ、長さ6キロに及び、第1~3RTの149世帯だけでも9人がなくなり、17人が行方不明だという。
 同じくジョノオゲ村からの避難民の農業シティ・ロムラさん(55)の家は、泥流が発生したとみられる場所にあった。
 「夜の9時ごろまで泥に流された。米もマメもトマトも何もかも流されてしまった。職業学校1年の孫が勉強を続けることができるだろうか」と涙を見せる。
 山間部に近いシデラ村には、激しい被害を受けたジョノオゲ村やパル市ペトボから避難民が多数流れ込んでいる。「夜になると、女たちがすすり泣く声が聞こえる」とマイラさんがつぶやいた。(米元文秋、写真も、8面に関連)

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