建設、インフラ事業で頻用 FIDICを解説 西村あさひ法律事務所

 西村あさひ法律事務所は20日、中央ジャカルタのアヤナ・ミッドプラザ・ジャカルタホテルで、「インドネシアでFIDICを使用する上での頻出問題点」と題したセミナーを開いた。 インドネシアで頻繁に使われる一方、難解なFIDICの契約約款について、日本企業の理解を深めるのが目的。インドネシア仲裁委員会(BANI)の仲介人を務めた経歴を持つ宇野伸太郎弁護士が講演した。
 FIDICは1913年に設立された国際コンサルティング・エンジニア連盟(本部・ジュネーブ)の略称。同連盟が作成した、国際的な建設・インフラプロジェクトにおける請負契約などの契約約款が新興国などで頻繁に用いられている。インドネシアでも円借款事業や外資が関係する民間の建設事業などで利用されているという。
 宇野弁護士はFIDICの契約約款を使用しても、インドネシアでは契約内容が必ずしも拘束力を持つわけではないと指摘。特にインドネシアの裁判所やBANIを利用する場合は仲介人の裁量が大きく、外国企業側に不利な決定が下されることも多いという。
 また外国企業が契約内容をよく理解できてなかった場合は救済を得にくく、社内でFIDICの解読チームを作るなど対応を強化する必要があるとした。
 宇野弁護士はインドネシアの倒産法に定める支払猶予(PKPU)をめぐる問題が、過去5年間で増加傾向にあると指摘。インドネシアの発注者が倒産手続きに入り支払いが行われず、発注者が選んだ管財人と再交渉しなければならなくなる場合もあるという。資金繰りに難航する現地企業の弁護士が外国企業に対してとる有効な手段の一つとなっている側面があり、注意が必要だとした。
 セミナーには日系企業関係者約50人が参加した。(大野航太郎、写真も)

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