関税免除75㌦以下に 財務省 来月10日から輸入抑制

 財務省はこのほど、大臣令(2018年第112号)を発令し、18年10月10日から輸送物の輸入関税免除の対象を1日当たり合計額75ドル以下に引き下げると発表した。7・5%の税が課される。輸入抑制が主な目的だが、商品への価格転嫁により個人消費が低迷する懸念もくすぶる。地元メディアが報じた。
 輸入関税免除の対象は従来は同100ドル以下。財務省は世界税関機構(WCO)が推奨する基準に合わせるためと主張している。
 従来は100ドル以下の輸入なら1日に何回でも行うことが可能だったが、今回の規則改正では1日の合計額が75ドル以下の場合のみ免税となる。同省税関総局は法の正確な運用と、名義貸しなどといった輸入業者の不正行為が実施されないように、オンラインシステムを強化する方針だ。
 政府は経常収支赤字の縮小のために輸入を抑制する方針を打ち出しており、大臣令改正もその一環だが、発令の背景には電子商取引(EC)の発達がある。ラザダやトコペディアといったEC大手の躍進に伴い、中間層以上が時計やかばん、衣服などを購入する際に、オンラインサイトで輸入品を注文することが一般的になっている。政府は規制強化で大量輸入を防止する。拡大するEC関連産業は租税徴収が進んでいない分野でもある。
 政府は9月5日に一部の消費財輸入に関して、輸入業者が支払う前払い法人税を引き上げると発表。今回の大臣令改正で個人の購買に関わる部分にもメスを入れ、貿易収支の改善に向けてあらためて強い姿勢を示した。
 ただ、ECサイトに商品を出品してきた中小の輸入業者が打撃を受ける可能性がある。また、商品の値上げにつながり、18年第2四半期に回復の兆しを見せた個人消費が再び減速する懸念もある。(平野慧)

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