介護実習生事業を強化 OSセルナジャヤ 研修センター新設

 技能実習生の送り出し事業などを行うOSセルナジャヤ・インドネシアは10日、介護実習生の訪日前講習のための研修センターの開校式を東ジャカルタ区チパユンで開いた。介護実習制度は始まったばかりで、人材が不足する日本の介護現場からの期待も高い。インドネシア人の派遣は増えていく見通しで、将来的にどう技術移転につなげるかが注目される。

 日系企業への人材サービスや経営サポートも手掛ける同社は2014年から実習生事業を開始。4年間で製造業を中心に計約千人を送り出した。17年11月に外国人技能実習制度の対象に介護職が追加されたのを受け、看護系学校の卒業生らの募集や選抜、訪日前研修を行ってきた。
 訪日前研修はこれまで西ジャワ州レンバンなどの施設を使っていたが、手狭になったことや、介護実習生に対する日本側の関心の高さを受け、研修センターを新設した。全寮制で約300人を収容でき、将来的には年間約千人の送り出しを目指す。
 介護実習生は訪日前に日本語能力試験の「N4(基本的な日本語を理解できる)」相当の取得を求められ、研修センターでは10カ月~1年程度かけて日本語と介護の知識を学ぶ。徳島県などの施設で計6年勤めた日本人介護福祉士や、経済連携協定(EPA)に基づく訪日経験のあるインドネシア人介護福祉士候補生が介護の講師を務める。

■EPA人材がリーダーに

 インドネシアからの介護実習生は、第1陣となる19人が8月末に日本に到着したばかり。OSセルナジャヤでは現在約100人の候補生が研修中で、まず7人が9月末~10月初めごろに日本へ出発する。
 受け入れ先は東京都など3都県で病院や特別養護老人ホームを展開する新富士病院グループ(本部・横浜市)。10日の開校式には中島一彦会長も日本から駆け付け、インドネシアからの実習生を積極的に受け入れていく姿勢を示した。
 同グループでは現在もEPAに基づいて介護福祉士の資格取得者や看護師候補生らインドネシア人計9人を受け入れており、中島秀彦・経営戦略室長は「狭き門で、滞在期間も限られるEPAと異なり、技能実習は最長5年間面倒を見られるというのが利点」と話す。今後は年間10人程度のペースで介護実習生を受け入れていきたい方針だ。
 EPA人材とのすみ分けについては「EPAの国家資格保持者がリーダーとなり、技能実習生の子たちの面倒を見るような形にしたい」と考えている。
 また、ムスリムの受け入れにあたり、施設内ではジルバブ(スカーフ)の着用を認め、「外国の方が働いているのでご理解ください」という趣旨の張り紙を設置。「お祈りスペースを設けるなど(ムスリムの)受け入れ姿勢を整えていきたい」と話す。
 「技術移転」を目的にした技能実習制度だが、現状インドネシアには介護施設が少なく、介護実習生の間にも「インドネシアには介護の仕事が少ない」という共通認識がある。3年制看護学校出身の実習生タンティ・ソピヤさん(22)は「日本の介護技術を勉強して、帰国後は自分で介護のクリニックを開きたい」と意気込む。
 中島室長は「実習生事業を通じて、インドネシアで介護という職業や地位を確立できたらと思っている。将来的にインドネシアに何らかの(介護)施設を出せれば」と展望を語った。(木村綾、写真も)

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