みな一つに下町の運動会 独立記念日
独立記念日の17日、毎年恒例の地域の運動会が開かれ、あちこちのカンプン(下町)でにぎやかな声援が響いた。クルプック(揚げせんべい)食い競争やトウガラシつかみなどインドネシアならではの競技に子どもも大人も熱中。18日午後には北ジャカルタ区アンチョールで大規模な棒登り大会が予定されており、お祝いムードは3連休も続きそうだ。
中央ジャカルタ区クマヨランのアジア大会選手村裏手のセルダン郡第7町内会(RW)。毎年恒例の運動会だが、「いつもよりにぎやかだ」と住民のシギット・ウィドドさん(57)は言う。
18日開幕のアジア大会に合わせ、住民たちで家の外壁や道路をカラフルに塗り、マスコットたちを描いた。この日は風船割りなどを開催。色鮮やかな壁と国旗の装飾が、いっそうお祭りの雰囲気を高めた。
「キャー!」。中央ジャカルタ区カンプンバリ郡の第10町内会で開かれた運動会には、俳優のフィノ・G・バスティアンさんが駆け付け、女性たちはうれしい悲鳴を上げた。主演アクション映画の宣伝の一環で、衣装姿で登場。クルプック食い競争では、ぶら下げられたクルプックにバリバリと食らいついた。住民たちは写真撮影に夢中だ。
運動会の司会を務めた隣組長のコリンさん(59)は「ことしは予算の関係で棒登り大会ができなかったけど、有名人が来てくれて盛り上がった」と満足げに笑った。
バックパッカーなどが集まる中央ジャカルタの安宿街ジャクサ通りでは、地元住民と外国人旅行者が一緒に競技を楽しんだ。主催者の1人、ロッキー・モンタナさん(37)は「ここは誰もが歓迎される場所。外国人が参加してくれてうれしい」と話す。
夕方には大統領選に立候補した副大統領候補のサンディアガ・ウノ氏も登場。レゲエバンドと一緒に歌ったり、袋に入ってぴょんぴょんと跳びながらゴールを目指す競技に参加したりと一般市民に混ざって盛り上がった。サンディアガ氏と袋跳びで対決したフランス人のシャーレーンさん(32)は「まさか副大統領候補とは知らずびっくり。みんなが笑顔の良い雰囲気で、とても楽しめた」と話した。(木村綾、写真も)