170人超、屋外で避難 損壊のマタラム市病院
ロンボク島マタラム市の公立病院では、壁の一部が崩れるなどし、院内も停電に見舞われたため、家族や医師が手伝って入院患者を避難させた。病院の駐車場に設置された仮設テントには6日、ベッドが所狭しと並び、170人超の患者が不安な入院生活を過ごした。薬や検査機は外に持ち出したが、手術はまだできない。傍らには地面にシートを敷いて寝泊まりする家族らの姿があった。
中部ロンボク県のアリフ・ワフユディさん(39)は、4日に腫瘍の手術を終えたばかりの次女(1)に付き添っていた。「激しく揺れると同時に停電した。みんなパニック。娘を抱えて外に走ったよ」。娘のベッドに寄り添い、一晩を明かした。6日には食事も提供され、ほっとした。
マタラム市のアグス・ストリスナさん(33)は「余震が続いている。骨折している妻の上に物が落ちて来たらと考えるととても眠れない」と、妻のそばにじっと付いた。6日に手術を予定していたが、病院の建物が使えず、先送りになったという。外壁にひびが入った病院を不安げに見つめた。(木村綾、写真も)