死者98人 負傷236人 リゾートから2700人救出  ロンボク島地震

 西ヌサトゥンガラ州ロンボク島北部で5日発生したマグニチュード(M)7・0の地震で、国家防災庁(BNPB)は6日までに死者が少なくとも98人、負傷者が236人に上ったと発表した。同島北西沖のリゾート地から船で2700人を救出。在デンパサール総領事館によると、マタラム市で邦人女性1人も軽傷を負ったが無事だった。

 BNPBの発表によると、被害が最も大きかったのは北ロンボク県で死者72人、負傷者64人。同県タンジュンでは各地のモスクが倒壊し、下敷きになった礼拝者が多数いるとみられる。
 西ロンボク県の死者は16人。州都マタラム市では4人が死亡、重傷63人、軽傷8人、37人が病院で治療を受けている。東ロンボク県は死者2人、中部ロンボク県同2人。バリ島では2人が死亡、37人が負傷した。
 ロンボク島北西沖のリゾート地、ギリトラワンガン、ギリアイル、ギリメノの3島からは、救命救急隊(SAR)が午後4時までに2700人の観光客を救出し、救難艇9隻で北ロンボク県バンサル港へ輸送した。
 気象庁(BMKG)は6日の地震を一連の地震の本震と断定。午後5時までに176回の余震が発生するなど予断を許さない状態が続いている。北ロンボク県内各地の橋も損壊し、住民が孤立している地域もある。
 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は5日夜、関係閣僚に迅速な対応を指示。BNPBや軍、警察、救命救急隊などからなる合同救難隊は、国軍機3機で食物や通信機器、薬などの支援物資を届け、被災者の救出作業や物流の確保に取りかかった。
 国営電力PLNはバリ島や東ジャワ州から技師を派遣し、地震で損壊した電柱や送電設備の復旧作業を急いでいると説明。国営石油・ガスのプルタミナは、マタラム市の石油備蓄基地やロンボク国際空港給油施設に被害は出ていないと明らかにした。燃油を届けたり、炊き出しのための液化石油ガス(LPG)を設置したりする災害支援部隊を急派し、ライフラインの確保を優先している。
 空港や港は通常通り稼働している。国営空港管理第1アンカサプラによると、ロンボク国際空港では地震発生時に一時停電したがすぐに復旧した。通常の18時間から24時間営業に切り替え、各航空会社の増便に対処する。国営ガルーダ・インドネシア航空は6日、ロンボク~デンパサール往復便を3本増便。支援物資の輸送費を半額にすると発表した。国営河川・湖沼フェリー公社(ASDP)のバリ島行きフェリーが発着する西部のレンバル港や北東部のカヤンガン港でも一時停電したが、6日には復旧した。(中島昭浩)
          

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