ギリ島パニック、脱出われ先に 家族が離れ離れに

 ロンボク島の北西沖にある観光名所のギリ3島では、建物の損壊が相次ぎ、観光客や地元住民らがわれ先に避難しようとパニックを起こした。
 国家救命隊や警察の助けで順番に島から避難しているが6日夜も、ギリトラワンガン島には人が取り残されている。スンギギ近くのバンサル港では、避難者が疲れ切った表情で次々到着し、家族と離れ、不安な夜を迎える観光客の姿もあった。
 「携帯電話を貸してください。少しの間」。6日午後6時ごろ、フランス人のアレックスさん(40)が切羽詰まった様子で話し掛けてきた。「子どもたちと一緒にギリトラワンガンから避難してきたが、3時間たっても妻だけが来ない」
 電話は5度目でようやくつながった。真っ先に、子どもたちのもとに駆け寄り、電話の向こうの母親の声を聴かせた。
 ギリトラワンガンは海に囲まれた小さな島だ。地震が起き、激しく揺れた。「津波が来る」と聞いて7歳と9歳の子どもを抱えて高い木によじ登った。アレックスさんのズボンは破れ、太ももがむき出しだ。
 朝になり、ボートが来た。「ああ、帰れる」と思ったが海岸には人が殺到した。押し合いへし合い。乗れたときには妻とはぐれた。「妻は安全だ」と言い聞かせ、港で待つしかない。港から空港へ向かうタクシーには「200万ルピア」を提示された。島にはまだボートを待つ人が大勢いて、妻がいつ帰ってこられるか分からない。「ただ家族で帰りたいだけなんだ」
 港の警察官によれば、ギリトラワンガン島を除く2島の住民や観光客は全員避難。最も被害が大きいとされるギリトラワンガン島には6日夜も数百人が残っているとみられ、ボート3隻が救出に当たっている。
 国家防災庁(BNPB)によると、6日午後3時までにギリ3島から外国人観光客を含む2700人が避難した。(木村綾、上村夏美)

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