前回の比ではない揺れ ロンボク島 中庭で一夜過ごす人も
5日に西ヌサトゥンガラ州ロンボク島で発生したマグニチュード(M)7・0の地震。同島在住の邦人からは「前回(29日の地震)の比ではない揺れだった」との声があった。崩れ落ちてくる物が何もない野外広場で、一夜を過ごす人もいたという。邦人宅が全壊したとの情報もインターネット上に発信されている。
同州のNTB(エヌテーベー)日本人会副会長の高山一美さん(56)は、マタラム市北部のスラパラン郡に住む。地震があった午後8時ごろは、自宅にいたという。強い揺れで、棚に置いていた物が落ちた。
外に出ると、自宅の瓦が一枚落ちており、向かいの自身が経営するホテルは瓦が10枚ほど落ちていた。
「前回よりも長い時間揺れ、家の周辺では叫び声を上げている人もいた」。すぐに停電、1時間後に復旧し、再び余震で停電したが、同日夜までには全て復旧した。携帯回線のつながりは悪く、深夜まで連絡が取れなかったという。
近所ではサッカー場などの野外で眠る人が多く、高山さんは避難用のリュックをそばに置き、中庭でマットを敷いて、寝袋で一晩を過ごした。
また、観光地ギリ3島からボートに乗ってロンボク島に避難した邦人がいるとの情報もある。
NTB日本人会は、ロンボク島、東隣のスンバワ島などに住む30人が所属。6日までに全員の安否確認が取れている。在デンパサール日本総領事館によると、ロンボク島で在留届けが出ている邦人数は約100人だという。
スンバワ島に在住する邦人では、揺れは感じたが家屋などの被害はないという。(上村夏美)