ロンボク島でM6.4 日本人登山者「崖が崩れ、パニック」 14人死亡、162人負傷

 29日午前6時47分(インドネシア中部時間)、西ヌサトゥンガラ州ロンボク島でマグニチュード(M)6・4の地震があった。国家防災庁(BNPB)によると、8~80歳の14人が死亡、162人が負傷した。震源に近いリンジャニ山(3726メートル)の麓では土砂崩れが発生。山頂付近で地震に遭遇した日本人登山者は、カルデラの内側の崖が崩れ落ちるのを目撃し、「登山客はパニックだった」と話した。

 気象庁(BMKG)によると、震源は州都マタラムの北東47キロ、深さは24キロ。津波は発生しなかった。余震は午後4時までに133回あり、最大でM5・7を観測した。在デンパサール日本総領事館によると、日本人の被害は確認されていない。
 リンジャニ山東麓の東ロンボク県スンバルン地区では、宿泊所にいたマレーシア人登山者の女性(30)が壁の下敷きになって死亡した。同山国立公園の管理事務所によれば、地震発生時、山道には登山客820人がいたとみられ、29日午後2時半までにうち487人が下山した。登山コースを一時閉鎖し、登山者の救助作業を続けている。
 同管理事務所によれば、27~28日に入山した日本人は3人。このうち、28日朝にガイドと入山した日本人男性は、頂上の手前30メートルにさしかかったところで地震に遭った。「グラっときた。横揺れがひどく、地面にしゃがみ込んだ。20~30秒は揺れたと思う」。周囲の登山者たちも、しゃがんだ状態で落ち着くのを待った。カルデラの内側の崖のような部分が崩れて岩が落ちるのが見え、頂上の方では、せり出した岩が「パキッ」と割れた。男性は29日夕までに無事下山し、「回りの登山客もパニックだった」と振り返った。
 家屋の損壊も相次ぎ、ロンボク島の一部で停電や断水が起きるなど、住民生活にも影響が出ている。国家防災庁によると、東ロンボク県で1千棟、北ロンボク県では263棟が損壊被害を受けた。北ロンボク県在住の岡本みどりさん(40)は自宅の壁にひびが入り、「揺れが長く、余震も5~6回あった。いつ収まるんだろう」と不安をのぞかせた。
 揺れは東隣のスンバワ島や西隣のバリ島など広範囲で観測された。バリ島のングラライ空港とロンボク島のロンボク空港は通常通り稼働している。

■大統領も現地入り

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は29日午後にスンバワ島に到着し、閣僚や西ヌサトゥンガラ州知事らと地震の対策会議を行った。30日にロンボク島の被災地に入る。(木村綾)

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