カラ氏 再選に意欲 大統領選 「3選禁止」無効訴え

 2019年大統領選で、ユスフ・カラ副大統領(76)が再選出馬する可能性が浮上してきた。副大統領2期目のカラ氏は「3選禁止規定」のため立候補できないとされてきたが、憲法裁判所の違憲審査で同規定の無効を訴える姿勢を表明。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領(57)との現職ペア再選を期待する声がある一方、民主化以降の改正憲法の原則を崩しかねないとの批判も出ている。
 カラ氏の再選出馬を後押しするペリンド党は10日、総選挙法の3選禁止条項の違憲審査を憲法裁判所に請求。これを受けてカラ氏が20日、「当事者」として審査に関与することを代理人を通じて明らかにした。
 インドネシアでは32年間にわたる長期独裁体制を敷いたスハルト時代の反省から、同政権崩壊後の憲法改正で、大統領と副大統領の任期を2期10年までに制限した。このため、ユドヨノ政権(04〜09年)とジョコウィ政権(14〜19年)で計2期、副大統領を務めるカラ氏は出馬できないとみられてきたが、ペリンド党は「2期連続でなければ3選可能」と主張している。
 世論や連立与党内からは現職ペア続投を望む声も根強い。英字紙ジャカルタポストは24日付1面トップで、ジョコウィ氏の副大統領候補は「カラが最も安全パイ」と報じている。
 カラ氏自身は当初、高齢や規定などを理由に続投には消極的な態度を示していた。ジョコウィ氏と野党グリンドラ党のプラボウォ党首に対抗する「第3の軸」をにらみ、ユドヨノ前大統領(民主党党首)がカラ氏に接近し、長男アグス氏とのペアを模索した際には、カラ氏は再選出馬を拒否すると明言。しかしカラ氏側近のソフヤン・ワナンディ副大統領首席専門補佐官が17日、地元メディアに「法律が許せば、カラ氏は国益のために(再選出馬する)用意がある」と明かして情勢が一転した。
 正副大統領の候補者登録は8月4〜10日に迫っており、憲法裁は優先的に審査して判断を急ぐ方針だ。
 これに対し、政治アナリストで国立インドネシア科学院(LIPI)上級研究員のシャムスディン・ハリス氏は「憲法の(3選禁止)規定は明確で、カラ氏の行動は理解できない」「ペリンド党は現職ペアの再選を望んでおり、カラ氏は権力への野望を抱いている」と批判する。
 カラ氏は近年、ゴルカル幹部の立場を超えて国家指導者の世代交代を呼びかけ、ジョコウィ氏やアニス・バスウェダン氏の政治活動を支援してきた老練な政治家。17年のジャカルタ特別州知事選では、アニス氏の擁立をプラボウォ氏に勧めて当選させた立役者でもあり、カラ氏が出馬を断念した場合、アニス氏を大統領選に擁立するとの見方もあった。(木村綾)

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