自動改札使えず混乱 紙の乗車券で代替 首都電車の79駅
首都圏専用電車(KRL、コミューター)の計79駅で21〜23日、自動改札が利用できなくなった。KRLを運行しているクレタ・コミューター・インドネシア(KCI)が行ったシステム更新の影響。KCIは代替手段として、一律3千ルピアで購入できる紙の乗車券を提供したが、各駅の販売窓口や改札は混雑し、同社への非難の声が相次いだ。
KCI広報部は23日、同社ウェブサイトで「乗客に不便をかけ大変申し訳ない」と謝罪。システム更新は電子カードの利用者増に対応するためで、23日昼までに完了したと説明した。
中央ジャカルタのスディルマン駅を利用していた、西ジャワ州デポック市在住で日本料理店勤務のソディキンさん(22)によると、同駅は23日朝、乗車券の販売窓口には長蛇の列ができ、改札は急ぐ乗客でもみ合いになった。ソディキンさんは混雑のため仕事に30分遅刻したと言い、「駅で『渋滞』が起きると思っていなかった。KCIは真面目に仕事をしていない」と憤った。
AFP通信によると、各地の駅で混雑を嫌う乗客に3千ルピアの乗車券を5千ルピア程度で売るチャロ(ダフ屋)も出現。KCIが相手にしないよう呼び掛けた。
ドゥティックコムによると、KCIの前身、KAIコミューター・ジャボデタベック(KCJ)は2013年7月から電子カードの利用を開始。14年6月にジャボデタベック(首都圏)全域の主要駅で導入、現在では電子カードのみの運用となっている。
KCIはJR東日本と14年に、車両メンテナンスや乗務員による車両点検・整備、サービス向上などで協力覚書を結んでいる。
JR東日本はことし3月〜20年の間に主に武蔵野線で使用してきた205系車両336両を譲渡する予定。(大野航太郎、写真も)