川の悪臭にふた? 目の細かい網設置 アジア大会選手村近く
中央ジャカルタ区クマヨラン郡クボンコソンにあるアジア大会の選手村東側を流れる河川に、目の細かい約750メートルの黒い網が張られた。清掃に当たっていた北ジャカルタ区清掃局作業員によると悪臭にふたをするためという。周囲の住民はその効果を疑っているが、ジャカルタ特別州は「ナノバブル発生装置」も駆使して水質改善も図る方針だ。
河川は中央、北ジャカルタ両区の境を流れる。河川東側の北ジャカルタ区タンジュンプリオク郡スンテル・ジャヤに20年暮らすパルディさん(73)は「網は細かい穴が開いている。臭いを防ぐためと聞いたが、この川は生活排水が多く流れ込むので難しいだろう」と話す。
22日午後に同地を訪れると、清掃局の作業員が河川の清掃と黒い網の設置作業を続けていた。午後の作業では、ナマズの一種「イカン・サプ・サプ」の死骸が見つかったという。網の設置は同日夜に終える。
地元メディアによると、州は網の設置の他に、国内外で水質改善事例の多いナノバブル発生装置を導入した。微小な気泡で水中に酸素を送り込むことで、汚濁物質を分解する微生物の活性化が期待できる。
クマヨラン郡スルダンの第7町内会(RW)第3隣組(RT)長を33年務めるトゥグ・スリプトさん(57)は「以前は川の深さが2メートルだったが、2013、14年に7メートルに掘り下げ、洪水が起きなくなった。しかし臭いは消えなかった」と振り返る。
選手村に最も近い同町内会では、区が15日から家屋の壁や通りに競技のピクトグラムなどを描いて歓迎ムードが漂う。トゥグさんは「私たちは各国の選手らを歓迎したい。(河川の臭いは)州に任せるしかない」と語った。
クマヨランの選手村は8月10日から選手が入居できるよう準備を進めている。選手は10棟のうち、5494ユニット(1万6482人分)の7棟に滞在予定。アジア大会組織委員会(INASGOC)は、今大会に登録された選手は現時点で1万1千人ほどと発表している。(中島昭浩、写真も)