大賞にテリオス 26製品にGマーク 国内グッドデザイン賞

 2017年に始まった国内のグッドデザイン賞「グッドデザイン・インドネシア(GDI)」(主催・商業省、協力・日本デザイン振興会=JDP、日本貿易振興機構=ジェトロ)の受賞製品発表が18日にあり、大賞にアストラ・ダイハツ・モーター(ADM)の中型SUV「テリオス」が選ばれた。優秀製品6点とその他19製品に「Gマーク」が与えられた。
 GDIの対象となるのは、インドネシア人がデザイン▽インドネシア国内で販売▽インドネシア国内で生産――の3点のうち2点を満たす製品。乗り物、家具、日用品、家電を含む電化製品、ライフスタイル&アクセサリー、芸術・グラフィックの6製品分野に253製品の応募があった。
 ジェトロ・ジャカルタ事務所によると、JDPから審査員として参加した、デザイン会社プレーンのプロダクトデザイナー渡辺弘明さんは、大賞のテリオスについて「製品としてのつくり込みがよくできている。インドネシア向けにつくられているが、日本でもSUVが流行っており、デザイン的にも受け入れられる可能性がある」と評した。
 GDIは、デザインの重要性への理解を深め、製品を国際水準にレベルアップさせ、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が掲げる製品の国際競争力強化方針に沿って輸出振興を図ることを最終目的に、17年に始まった。
 1957年に通商産業省(現・経済産業省)が創設し、付加価値としてのデザインを広めるとともに、日本の産業発展に重要な役割を果たした「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」が元になっている。
 内装製品を手がけるレトタ・リテール・インドネシアは、今回初めて4製品を応募。力を入れた3製品が落選する中、ことしの年末から2019年初の発売を予定している壁紙の新製品が、大賞を含む7製品の「GDIベスト」を受賞した。材料は新聞の再生紙を約40%、紙50%、ポリエステル3%と自然に配慮。中部ジャワ州マグラン県の作業場で主婦などが全て手作業で織り上げる。
 製品デザイナー2人のうち、この道11年のムハンマド・タウファニアリさん(33)は「17年半ばに、国内デザイナーの若返りが進む中で、どう時代に合わせ生き残っていくかを考えてデザインした。デザイナーにとって栄誉な賞であり、日本の審査に参加できるメリットもある」と受賞について語った。
 17、18年のGDI大賞とGDIベストの計14製品は、ことしの日本のグッドデザイン賞に2次審査から参加できる。日本では5日から2次審査が行われており、9月5日に結果が通知される。受賞製品の発表は10月3日。
 国内では、10月24〜28日の国内最大規模の輸出製品見本市、トレード・エキスポ・インドネシア(TEI)でGDI受賞製品を展示する予定。
 ジェトロ・ジャカルタ事務所の山城武伸シニアディレクターは「応募者は昨年の倍になり、インドネシアでも認知されてきた。デザインや研究開発部門の社員のモチベーションになると前向きに評価して応募する日系企業も出てきた」と説明。ダイハツ・テリオスの受賞については「インドネシア人デザイナーが直接関わり、インドネシア市場に特化した製品。インドネシアのデザインやクオリティ力を、国外にアピールできる製品であることなどが評価された」と話した。(中島昭浩、太田勉)

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