インドから聖火到着 アジア大会 ジョクジャまで7300キロ

 ニューデリーで採火したアジア大会の聖火が17日、アチェ州を経由して聖火リレーのスタート地点となるジョクジャカルタ特別州のアジスチプト国際空港に到着した。総延長7300キロ、3時間の乗り継ぎを含む計11時間の長旅を終えて到着した聖火は、バントゥル県の空軍中央博物館で保管され、18日の式典で国内の聖火「ムラペンの聖火」と一つにし、今大会の聖火とする。
 聖火を乗せた空軍機の白い機体は午前7時53分ごろ、T50i練習機(通称ゴールデンイーグル)4機に先導され、アジスチプト国際空港の東の空に姿を現した。4機の先頭に立つと、式典に集まった軍警察や軍学生など約100人の前を通り過ぎ、西の空から着陸。国内バドミントン協会(PBSI)育成強化部長のスシ・スサンティ聖火リレー大使(47)が、聖火が入ったランタンを抱え、同8時8分ごろに空港に降り立った。
 第1回大会が開かれたニューデリーのディヤン・チャンド国立競技場で15日に開かれた採火式に出席したスシさん。この大会から保管してある聖火から採火した後は、在インド・インドネシア大使館で保管。16日の出発時、機内に聖火を持ち込む手続きで手間取ったが、無事点灯させたまま運びきった。
 バルセロナ五輪(1992年)のバドミントン女子シングルスでインドネシア人として初優勝を果たした国民のヒーローでもあるスシさんは「点灯させたままにすることは、(聖火の)名誉と尊厳を守ることと同じで、死守しなければならなかった。(アジアの)連帯と友好を示す聖火の精神を受け継いでいきたい」と大会の成功を願った。
 到着後には、ゼロ戦など日本の5機を含む航空機56機が展示されているマンダラ空軍中央博物館まで、約1時間四輪駆動車に乗ってパレード。スシさんに花の首飾りをかけ、共に車上で声援に応えたジョクジャカルタ王宮第10代スルタン(王)のハメンクブウォノ10世ジョクジャカルタ特別州知事は「ここから始まるアジア大会が成功することを祈っている」と期待する。空港でランタンを受け取ったユユ・スティスナ空軍大将は「外からでも充分熱さが伝わる」と緊張した面持ちだった。
 18州53都市を巡る聖火リレーは19日、ジョクジャカルタ特別州で始まる。インドからの総延長は約1万8千キロ。18日には、国民体育大会(PON)などの大会で使われる中部ジャワ州グロボガン県にある「ムラペンの聖火」を採火し、夜にプランバナン寺院群でインドからの聖火と一つにし、第18回アジア大会の聖火とする。
 王宮儀仗(ぎじょう)兵として軍警察と共に車を警護した市民団体「ブルゴド・ゴトリ・スロアジ」のシディク・ロフマティさん(40)は「聖火を警護できて光栄。各地の文化を伝える機会にもなれば」と話した。
 聖火は博物館外の小さな聖火台に灯された。1本で8時間はもつという50キロの液化石油ガス(LPG)ボンベ2本で灯し続ける。ガスは国営石油ガスのプルタミナが提供した。(中島昭浩、写真も)

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