カンプンやモールで観戦 W杯決勝心待ちに
優勝候補の敗退やダークホースの台頭で世界を熱狂させているサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会。15日の決勝に向け、各地のカンプンやショッピングモールでも盛り上がりを見せている。13日午後、決勝を心待ちにするサッカーファンらに話を聞いた。
中央ジャカルタ区クボン・カチャンのカンプン(下町)。6月14日の開幕以来、住民はインターネットカフェのテレビの前に集まり、皆でサッカー観戦を楽しむ日々が続いている。
オフィスビル警備員のカフィさん(23)は「フランスが2―1でクロアチアを下す」と予想。タクシー運転手のアゲスさん(36)は準決勝でイングランドを下したクロアチアが勢いのまま初優勝を飾ると期待する。「決勝の予想を当てた人が、カンプン内で尊敬される。だからみんな真剣に考えているよ」。
南ジャカルタのショッピングモール「ロッテ・ショッピング・アベニュー」では、開幕からモール内に観戦スペースが設置され、深夜まで連日多くの人でにぎわっている。
決勝を同モールで観戦するという西ジャカルタ区マンガブサール在住のバスコロさん(28)は「誰も予想していなかった活躍を見せるクロアチアを応援する。フランスのディフェンスを崩せるかが勝負だ」。「インドネシアはまだW杯に出場できるレベルじゃない」としながらも、「いつか今回のクロアチアみたいな活躍ができたらいいね」と期待を込めた。
中央ジャカルタ区タムリン通りのサリナデパート駐車場にも巨大なスクリーンが出現。観戦イベントが行われている。同デパートに勤務するデポイさん(22)は「(フランスのFW)エムバペがすてき。決勝でも応援する」と笑顔で話した。当日は同僚らと勤務後に巨大スクリーンで観戦するという。
決勝の勝敗に注目が集まる一方で、今大会での中国企業の台頭に複雑なまなざしを向けるファンもいる。南ジャカルタ区テベット在住のハナさん(30)は「インドネシアだけではなく、世界で中国の影響力が高まっていると感じる。今後も拡大していくだろう」と話した。(大野航太郎)