最大与党に危機感 知事選 12州で敗北 大統領選へ野党弾み (2018年07月10日)

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 6月27日に171州県市で実施された統一地方首長選の結果が、一部地域を除いて9日までに確定した。17州知事選のうち、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が所属し、メガワティ元大統領率いる最大与党・闘争民主党(PDIP)候補が勝利したのは4州にとどまった。2019年の大統領選を控えて与党が危機感を抱く一方、大票田の西ジャワ州や中部ジャワ州で予想以上の健闘を見せた野党は、ジョコウィ氏再選阻止に勢いづいている。

 闘争民主党の候補が勝利したのは中部ジャワ、バリ、南スラウェシ、マルクの4州。未公表のパプア州を除いても少なくとも12州で敗れた。
 特に打撃が大きいのは大票田の西ジャワ、東ジャワ、北スマトラ州での敗北。有権者最多の西ジャワ州では、同党国会議員の退役軍人トゥバグス・ハサヌディン氏(65)が4候補中最下位だった。東ジャワ州では、サイフラ・ユスフ同州副知事(53)と故スカルノ初代大統領の孫プティ氏(47)のペアが惜敗。北スマトラ州では、17年のジャカルタ特別州でも野党候補に敗れたジャロット・サイフル・ヒダヤット同州前知事(56)が野党の軍人候補に再び敗れた。
 同党のハスト・クリスティヤント幹事長は6月27日の開票速報後、「悲観していない」としつつも「(州知事選では)目標の7州に届かなかったことを受け止める」と危機感をにじませた。2日付週刊誌テンポは「2019年に黄色信号」と与党劣勢を伝える特集を組み、「東ジャワと北スマトラは予想外だった」とメガワティ氏も選挙結果に落胆していることを報じた。
 一方、プラボウォ・スビアント氏率いる最大野党グリンドラ党が勝利したのは北スマトラ、東カリマンタン、マルクの3州。ただ、西ジャワ州では退役軍人スドラジャット氏(69)が1位と4ポイント差に迫り、中部ジャワ州ではスディルマン・サイド前エネルギー鉱物資源相(55)が同18ポイント差といずれも惜敗だった。両候補とも投票直前まで圧倒的劣勢と報じられたが、結果は予想以上に票を集め、健闘した。グリンドラ党のファドリ・ゾン副党首はコンパス紙の取材に「西ジャワと中部ジャワは(実質的な)勝利と見ている」と述べ、大統領選での「プラボウォ勝利」に自信を見せた。

■「政党」より「仕事」

 大統領選はジョコウィ氏がリードしプラボウォ氏が追う展開が続く。候補者登録まで1カ月に迫り、与党は副大統領候補選びを本格化させている。
 「#GANTI PRESIDEN(大統領交代)」運動を展開する野党は、闘争民主党の敗北に勢いづいているが、今回の選挙結果がジョコウィ氏への逆風を意味するとは限らない。
 例えば、闘争民主党とグリンドラ党が推した「与野党相乗り候補」サイフラ氏が敗れた東ジャワ州。勝利したコフィファ・インダル・パラワンサ氏(53)=民主党やゴルカル党擁立=は、ジョコウィ政権で社会相を務め、ゴルカル党党首は「ジョコウィは今回の選挙でコフィファを応援していた」と明かす。一方のコフィファ氏も、知事選では民主党の公認を受けたが、選挙後の地元テレビ局とのインタビューではジョコウィ氏の再選を支持する考えを明らかにした。
 コフィファ氏に投票した有権者の間でも「ジョコウィ支持」の声が聞かれた。スラバヤ市のホテル受付係イワン・フィルギヤントさん(33)は「インドネシアにふさわしいのは(世俗的な)闘争民主党が応援した候補よりも、イスラム色の強い候補」とコフィファ氏への投票理由を話すが、「次期大統領になってほしいのはジョコウィ。大統領としての仕事が評価できるから」。同市の建築会社経営ハキキさん(45)も「ジョコウィは政党幹部でもないし、闘争民主党とは切り離して実績で評価している」と話した。(木村綾)

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