女性指導者に期待の声 コフィファ氏の東ジャワ州 統一地方首長選

 コフィファ・インダル・パラワンサ前社会相(53)がサイフラ・ユスフ(通称グス・イプル)東ジャワ州副知事(53)に勝利する見通しとなった27日の東ジャワ州知事選。国内最大のイスラム団体ナフダトゥール・ウラマ(NU)出身で閣僚経験者と知事候補の共通点が多く、接戦が予想された州でコフィファ氏が支持を伸ばした背景には、NUの女性組織ムスリマット代表を務め、女性担当相や社会相を歴任した「女性指導者」への期待がありそうだ。有権者の声をスラバヤ市で聞いた。

 同州知事選へは2008年、13年に続く3度目の立候補のコフィファ氏。地元での知名度は高く、建築会社経営者のハキキさん(45)は「大臣を2度経験していて、なおかつ金権政治の話も聞かない」と評価する。
 高校教師のシティ・アニサさん(26)も「グス・イプルのことはよくわからないけれど、大臣やムスリマット代表の仕事ぶりからコフィファを応援したい」と一票を投じた。
 NU青年団元代表のサイフラ氏とNU女性組織代表のコフィファ氏のどちらが知事にふさわしいか。無職のウィサン・アジさん(67)は「ムスリムの中には、男性がリーダーでないといけないと考える人がいるが、彼らはマジョリティーではない」と主張し、コフィファ氏を選んだ。一方、自営業のアブドゥル・アジスさん(48)は「コフィファは好きじゃない」と一蹴した。
 市内中心部のブンクル公園で春巻きを売る露天商ディア・パンチャクティさん(53)は「女性のリーダーが良いと思う。コフィファとリスマ市長は共通点があるように見える」とスラバヤ市の女性市長の名を挙げる。
 現在2期目を務めるリスマ市長(56)は庶民派の敏腕市長としてスラバヤ市民から根強い支持がある。今回の知事選でリスマ市長は、所属する闘争民主党(PDIP)が擁立したサイフラ組の応援に回った。特に、「スカルノの孫」として話題を呼んだジャカルタ出身の副知事候補、プティ・グントゥール・スカルノ氏(47)の応援演説を展開し、投票日当日も、選挙権を持たないプティ氏はリスマ氏の投票に同行。人気市長の宣伝効果が期待されたが、リスマ氏への支持とプティ氏への支持は必ずしも結びつかなかったようだ。
 ただ、開票速報では9ポイント程度の僅差となった今回の選挙。レストランで働くムスタチャブさん(51)は「前回はコフィファを選んだけど、現州政に不満はないし、今回は(現副知事の)グス・イプルにしてみた」。主婦アマル・アンディナさん(36)は同じ女性のコフィファ氏に3回連続で投票したというが、「正直なところ、どちらが勝っても良いわ」とつぶやいていた。(木村綾、写真も)

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