きょう一斉に投開票 統一地方首長選 有権者1億5200万人

 171自治体の首長を一斉に選ぶ統一地方首長選が27日に投開票される。大勢は同日夕に判明する見通しだ。2019年4月の大統領選まで1年を切り、計1億5206万7680人に上る有権者の票の行方が注目される。

 午前7時〜午後1時、全国38万7598カ所の投票所(TPS)で投票が行われた後、開票作業に入る。政府は27日を公休日に指定し投票参加を促した。
 各自治体の選挙期日をそろえる首長選は有権者の関心喚起などが目的で、15年12月、17年2月に続く3度目。今回は18年1月〜19年9月に任期を迎える17州39市115県の首長が対象で、任期はいずれも5年。
 このうち、バンテン州タンゲラン市、タンゲラン県、南スラウェシ州マカッサル市など16県市では、1組しか立候補しなかったため、信任投票を行う。
 候補者は約4カ月に及ぶ選挙キャンペーンで有権者に訴えかけて回り、メガワティ氏(闘争民主党=PDIP)やプラボウォ氏(グリンドラ党)、ユドヨノ氏(民主党)ら与野党党首も自ら地方へ足を運んで支持を求めた。
 東ジャワや西ジャワ、北スマトラなどの主要州では接戦が予想されている。前回17年のジャカルタ特別州知事選で行われた「決選投票」制度は、ジャカルタ以外の州では適用されていないため、3組以上の候補者がいる自治体の首長も原則1回の投票で決まる。

■大統領選の構図は
 19年大統領選の前哨戦と言われる今回の首長選。8月上旬には大統領選の候補者登録を控えるが、最大与党の闘争民主党を筆頭に与党5党がジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)氏の支持を表明する中、最大のライバルとされるプラボウォ氏や、「第3の軸」を模索するユドヨノ氏の態度は保留のままで、今回の選挙結果を踏まえて大統領選の構図が固まる。
 ただ、目玉のジャワ3州を見ても、中部ジャワ州では与党候補が野党候補に対して圧倒的優勢、西ジャワ州では闘争民主党候補、野党候補ともに政党連合の他2候補に対して劣勢、東ジャワ州では与野党相乗り候補とジョコウィ政権の元閣僚が対決など、複雑な構図になっている。
 今回の選挙では、17年ジャカルタ特別州知事選のような著しい宗教対立や大きな混乱は起きなかった。一方でジョコウィ氏の再選を阻止しようという「#GANTI PRESIDEN(大統領交代)」運動が4月ごろから広がるなど、大統領選に向けた攻防は加速している。
 今回の選挙では軍・警察出身者の立候補も相次いだ。例えば、北スマトラ州では早期退役したエディ・ラフマヤディ前陸軍戦略予備軍司令官(57)=ゴルカル党やグリンドラ党擁立=が出馬し、西ジャワ州では退役軍人のTB・ハサヌディン氏(65)=闘争民主党=がアントン・チャリルヤン元西ジャワ州警本部長(57)とペアで立候補している。大統領選をにらみ、ガトット・ヌルマンティヨ前国軍司令官(58)も政界進出を図るなど「軍人候補」の動きが目立つ中、軍の政治的中立が盛んに叫ばれている。(木村綾)

政治 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly