171自治体 最後の訴え 各地で与野党相乗り 統一首長選 27日投開票

 171自治体(17州39市115県)の首長を一斉に選ぶ史上3度目の統一地方首長選は23日、選挙キャンペーン最終日を迎え、候補者を擁立した与野党の党首も「最後の訴え」に駆け付けた。3日間の冷却期間を置き、27日に投開票を迎える。与野党の相乗りも相次いだ主要州の終盤情勢をまとめた。

 政党が独自候補の擁立に苦しんだ結果、多くの州で与野党が相乗りした今回の選挙。そのため、今回の選挙結果が2019年の大統領選を占うとは言いがたいが、19年に初めて同時開催される大統領選・総選挙の前哨戦として注目されている。
 北スマトラや西ジャワ、東ジャワ各州では接戦が予想される一方、与野党の対立構造となった中部ジャワ州では、野党候補が与党の現職相手に苦戦を強いられている。

■ジャロット氏健闘 ――北スマトラ 
 ジャロット・サイフル・ヒダヤット前ジャカルタ特別州知事(55)と、早期退役して政界進出を目指すエディ・ラフマヤディ前陸軍戦略予備軍司令官(57)が、一騎打ちの接戦を繰り広げている。23日には、与党・闘争民主党(PDIP)党首のメガワティ元大統領が、ジャロット氏の最後の応援に駆け付けた。
 14年からアホック・ジャカルタ特別州知事(当時)の相方として副知事を務めたジャロット氏は、17年選挙で再選できず、ゆかりのない北スマトラ州で初挑戦する。当初は地元候補のエディ氏が圧倒的優勢と思われていたが、最近の世論調査では2組の支持率が共に3〜4割程度と拮抗(きっこう)。5月下旬〜6月上旬実施のインドバロメーター調査ではジャロット組がエディ組を初めてリードし、汚職と無縁なことや豊富な経験が支持拡大につながっているとの見方もある。

■現副知事と市長優勢 ――西ジャワ
 3千万人を超す全国最多の有権者を抱える西ジャワ州では4組が争う。大方の世論調査では、バンドン市長のリドワン・カミル氏(46)と西ジャワ州副知事で俳優のデディ・ミズワル氏(63)の2組が優勢となっている。
 建築家のリドワン氏はバンドン市長の任期をことしで終えるため、早くから州知事選への立候補を表明してきた。観光都市やスマートシティーとしての街づくりで「やり手市長」として評判を上げてきたが、今回の選挙では政党の支持獲得に苦戦、実績と知名度のあるディディ組が最大のライバルとなりそうだ。
 残る2組の知事候補はいずれも退役軍人。闘争民主党候補のTB・ハサヌディン国会議員(65)は元西ジャワ州警本部長と組み「軍・警察出身ペア」で出馬。野党候補のスドラジャット元国防省国防戦略総局長(69)は公開討論会で「#GANTI PRESIDEN(大統領交代)」と書かれたTシャツを披露して話題をさらったが、支持は伸び悩んでいる。

■現職が大差でリード ――中部ジャワ
 闘争民主党の現職ガンジャル・プラノウォ知事(49)に、野党連合からスディルマン・サイド前エネルギー鉱物資源相(55)が挑戦している。
 16年の内閣改造でジョコウィ氏が解任した閣僚を野党が知事候補として擁立するという、前回ジャカルタ特別州知事選と同じ構図。「閣僚同期」のアニス・バスウェダン・ジャカルタ特別州知事もスディルマン氏を応援してきたが苦戦。ガンジャル氏が支持率7割程度と大差でリードしている。野党・グリンドラ党のプラボウォ党首は23日にスマラン市を訪れ、スディルマン氏を激励した。

■NU同士の接戦 ――東ジャワ 
 サイフラ・ユスフ東ジャワ州副知事(53)と3度目の挑戦となるコフィファ・インダル・パラワンサ前社会相(53)による一騎打ちの接戦。2人共、東ジャワ州を本拠とするイスラム団体ナフダトゥール・ウラマ(NU)出身の地元候補だが、選挙戦終盤では「東ジャワ州民へのファトワ(宗教令)」としてコフィファ組を選ぶよう訴えかける横断幕が各地に出現。宗教を利用したブラックキャンペーンだと批判され、地元のキアイ(イスラム知識人)が総選挙監督庁に訴える騒動に発展した。
 NU系のイスラム政党・民族覚醒党(PKB)と世俗ナショナリズムの闘争民主党が共闘したサイフラ組は、副知事候補にスカルノ初代大統領の孫プティ・グントゥール氏(46)を担ぎ「異色ペア」として注目を集めた。東ジャワ州で知名度の低いプティ氏の当選に向け、メガワティ党首やスラバヤ市で人気のトリ・リスマハリニ市長が応援に力を入れている。(木村綾)

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