海水対策が鍵に 体調不良選手が続出 セーリング テスト大会

 8月18日の開幕まであと54日後に迫ったアジア大会。北ジャカルタ区西アンチョールでは24日、セーリングのアジア選手権が行われた。ジャカルタ湾の強い風にあおられ、舵を切った際に生活排水などで汚染された海水を浴び、体調不良を訴える選手が出た。本大会までに水質が改善する見通しはなく、本番では海水対策が好成績を残す鍵の一つとなりそうだ。 

 同選手権は20〜25日に開催。アジア大会セーリング競技のテスト大会の位置づけ。インドネシア・セーリング協会(PORLASI)によると、競技の運営と施設の試験を実施。当初、26〜30日に開催予定だったが、アジア大会の選手登録期限の30日を前に、余裕を持たせるために日程を早めた。
 会場には、2017年末に着工し、7月中旬の完成を目指す国内初のセーリング専用施設「国立セーリング・センター(INSC)」があり、約200隻のボートを収容できるという。
 同選手権には、中国や韓国、香港、インド、マレーシアなど16カ国・地域が参加。日本代表の中村健一470級男女担当コーチはジャカルタでの大会参加は初めてで、「現地の状況を確認しに来た」と話す。24日で4日目だが、「会場の水質が悪い。毎秒8メートルと風が強く、競技中に海水が口に入ってしまった選手が体調を崩したり、暑さで熱中症になっている」と頭を抱える。日本選手の1人は24日の470級第1レース後に体調不良を訴え、救急車で病院に搬送され治療を受けた。他国選手も不調を訴えるケースがあった。
 同選手権の岡田彰プリンシパルレースオフィサーは「国際オリンピック委員会に水質データの提出を求められることはあるが、明確な基準があるわけではない。一般的に、泳ぐのに適している基準であれば問題ない」と説明。ごみ回収ボートを出す▽各自治体が河川を浄化する――ことなどを求めたが、「期間が足りず、水をきれいにすることは全く厳しい」と語った。
 インドネシア代表チームコーチの1人、ウェン・サム・シーさんは「1970〜80年代はまだ水質が良かった。人口増加に伴う沿岸部の開発などで汚染されてしまった」と話す。ことしから日本が協力して水質改善を行っている「世界で最も汚い川」の一つとされる西ジャワ州のチタルム川も、ジャカルタ湾の北東部に注いでいる。(中島昭浩、写真も)

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