アンチョール近くにワニ 北ジャカルタ 体長3メートル、未捕獲

 レバラン(断食月明け大祭)前後に北ジャカルタ区タンジュンプリオク港の波止場で、体長2.5〜3メートルほどのワニ1匹が出没し、観光地のアンチョール公園の来場者を震え上がらせた。18日現在も海軍と海上警察などによる捜索活動が続けられたが、捕獲には至っていない。  
 
 ワニが出没したのは、レバラン前日の14日午後5時半ごろ。タンジュンプリオクの波止場「ポンドック・ダユン」で悠々と泳ぐ姿を住民が撮影した動画がソーシャルメディアに出回った。
 2日後の16日にも同波止場の東側に出没した。パトロールに当たっていた海軍兵士が、ライフルでワニの後頭部付近を2度にわたり狙撃したが、捕獲には至らなかった。
 その後海上警察と海軍は、観光客でにぎわうアンチョール公園方面でワニを捜索。公園内の人気スポット「アンチョール海岸」は、ワニ出没現場から直線距離で約6キロと近く、公園側も24時間態勢で同海岸を警備すると発表した。
 国家警察のファリッド海上警察総局救援救助課長は18日、じゃかるた新聞の電話取材に「ワニは16日以降姿を見せず、捕獲には至っていない」と説明。「住民の安全を第一に、通常のパトロールに付属する形で捜索を続けていく」と話した。
 一方で、ワニへの狙撃を受けシティ・ヌルバヤ環境林業相は17日、地元メディアに「捜索チームに狙撃はやめて捕獲するよう伝えた」との声明を出した。飼育されていたのか、野生なのかもはっきりしていないため、生きたまま捕獲して身元を特定するとした。ジャカルタ特別州のサンディアガ・ウノ副知事も狙撃よりも「捕獲案」に賛意を示している。
 18日現在、ワニの捜索はボート3隻20人態勢で継続中。最初に出没した波止場のほか、アンチョール海岸、プラウスリブ県方面のジャカルタ湾、カリアデム港に範囲を広げ、24日をめどにいったん捜索を打ち切る方針。
 南ジャカルタのラグナン動物園職員もパトロールに参加しており、「体温調節のために日なたに上陸するかもしれない。そこが捕まえ時だ」と自信を見せる。職員によるとワニの種類はイリエワニとみられ、捕獲後には同園内で治療する計画があるという。
 インドネシア国内ではことし3月、東カリマンタン州東クタイ県サンダラン郡の川岸で人間の手足を食べた体長6メートルほどのワニが射殺され話題になった。2月に南スラウェシ州パル市の川で二輪車のタイヤが首部分にはまったワニが1年以上ぶりに見つかったが、自然資源保護センター(BKSDA)によるケージや網を設置しての捕獲作戦がことごとく失敗している。(中島昭浩)

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