レバラン各地で祝う モスクでは警備強化も
レバラン(断食月明け大祭=イドゥル・フィトリ)を迎えた15日朝、2億人を超えるムスリムが国内各地で集団礼拝を行った。1カ月のラマダン(断食月)を終え、家族や親戚、友人らと日頃の非礼を詫びるあいさつを交わした。東南アジア最大級の中央ジャカルタのイスティクラル・モスクでは警備が強化された。
宗教省は14日夕、15日にレバランを迎えると発表。マグリブ(日没=断食を終了する時間)の礼拝が終わると、多くのムスリムが街に繰り出し、花火を上げたり、歌ったりして盛大にレバラン前夜を祝った。中央ジャカルタ区タナアバンのマス・マンシュール通りでは、屋根に子どもたちを乗せたアンコット(乗り合いバス)が大音量で音楽を流しながら走っていた。
15日午前7時ごろ、イスティクラル・モスクでレバラン最初の礼拝が行われた。ユスフ・カラ副大統領やジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン知事も訪れ、他の参拝客とともに祈りをささげた。モスクの入り口には金属探知機が設置され、身体検査も行うなど警備が強化された。
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は同日、西ジャワ州ボゴール市のイスタナ(大統領宮殿)でオープンハウスを開き、一般市民ら約千人とレバランのあいさつを交わした。
大統領はイリアナ夫人らと市民を迎え、一人一人と握手を交わした。大統領は地元メディアに「穢(けが)れのない状態に戻り、国民が団結して国の発展に貢献してほしい」とあいさつした。
オープンハウスはイスタナを一般に開放し、市民とあいさつを交わす恒例行事。中には同州スカブミ県から2日間歩いてきた農民やベチャ(三輪車)運転手らの姿もあったという。
大統領は16日には中部ジャワ州ソロ市に帰郷し、スンバコ(生活必需品)を住民に配布するなどした。
ことしのレバラン休暇は有休取得奨励日と週末を合わせると最大12日の大型連休となり、各地の観光地は帰省客などでにぎわっている。国営空港管理の第1アンカサプラは、15日に飛行機を利用してバリ島を訪れた人が7万4千人を超えたと発表した。(泉洸希)