断食を乗り越えて タクビランを祝う
レバラン(断食月明け大祭)前夜の14日、1カ月間の断食を終えたムスリムが喜びをたたえ合う祝賀行事「タクビラン」がインドネシア各地で行われた。街では花火を打ち上げる音や、牛の皮で作られた大太鼓「ブドゥッグ」の音が一晩中鳴り響き、お祭り騒ぎが続いた。
西ジャカルタのリッポーモール・プリ前の広場には午後9時半にもかかわらず、子どもを連れた親子や若者など約400人が集まった。
会場に並べられた六つのブドゥッグからは「ドン、ドン」とリズムの良い鼓動が響き、来場者は動画を撮ったり、演奏者に教えてもらいながらたたいたりして楽しんでいた。
同9時50分ごろにはジャカルタ各地のタクビラン会場を回ったジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン知事とサンディアガ・ウノ副知事がサプライズで登場。大きな歓声が上がった。
アニス知事は「就任後初めてのレバランだった。ジャカルタ特別州民のおかげでタクビランを何事もなく祝うことができた」と感謝を示した後、サンディアガ氏と共に集まった来場者に菓子や果物などを配った。
一家3人でタクビランを祝いに来たというヤキムさん(47)は「ことしも無事にラマダン(断食月)を終えてすがすがしい気持ちだ。家族で祝えて良かった」と笑った。(泉洸希)