あすレバラン 1950万人移動 高速道整備アピール

 世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシアで、約2億人が15日に迎える見込みのレバラン(断食月明け大祭=イドゥル・フィトリ)を祝う。ことしは最大で12日の大型連休となり、前年比5.17%増の1950万人が首都圏から帰省する。高速道路や空港など、急ピッチで進めてきた交通インフラ整備の成果をジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)政権がアピールする機会にもなっている。

 宗教省は14日夕、イスラム学者会議(MUI)などイスラム団体代表らと月の満ち欠けの観測結果を協議。レバラン初日の時期を発表する。
 レバラン帰省の渋滞緩和に向け、政府は有休取得奨励日を追加し、週末とレバランの間を埋め大型連休としたほか、建設中の高速道の臨時供用区間を拡大させた。特にジャワ島横断高速道(トール・トランス・ジャワ)では、中部ジャワ州スマランまで延伸させ、さらにソロ〜スラバヤ間も接続。帰省客に1年間で進んだ建設工事の成果をアピールしている。
 13日夕には、スマランに向かう区間で、開通が待たれていたバタン県のカリクト橋(164メートル)が供用された。昼夜兼行の突貫工事を続けてきたが、橋桁の上に敷かれた床版は1車線のみ。未舗装で側壁もまだない。
 同日、トラックで橋を渡り、供用開始を宣言したバスキ・ハディムルヨノ公共事業・国民住宅相は、地元メディアに「橋は24時間利用できる。(橋桁に敷いた)鉄版は16トンまで耐えられる」と説明。橋の開通は、首都圏から西ジャワ州にかけて発生している渋滞の緩和にもつながると強調した。
 同日、帰省ラッシュは8、9日の先週末に続く第2のピークを迎えた。チカンペック高速道の西ジャワ州カラワン方面では午後9時ごろ、35〜42キロ地点(チャワン起点)のサービスエリアから、東カラワン料金所2キロ手前まで約17キロにわたる渋滞が発生。カラワンからスバンへ向かうジャワ島北岸道路(パントゥラ)の渋滞は22キロに達した。
 政府は休憩所やトイレを増設し、休息を取りながら運転するよう呼びかけている。2016年の帰省時には、ジャワ島横断高速道の東ブルブス料金所付近で大渋滞が発生、立ち往生の車内で脱水症状などを起こす人が続出し、3日間で十数人が死亡する惨事が起きた。(上村夏美)

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