シャリア保険事業を開始 損保ジャパン 火災・自動車・旅行

 損害保険ジャパン日本興亜の現地法人、損保インシュアランス・インドネシアは2017年からことしにかけて事業領域の拡大に注力している。同社は24日、シャリア保険事業を始めたと発表した。損害保険会社の上位10社に入った中で、裾野を広げることで潜在的な需要を取り込んでいく。
 同社は17年8月に金融庁(OJK)の認可が下りた火災と自動車の分野に関してはすでにシャリア保険商品の販売を始めており、18年中に旅行分野も加えていきたい考えだ。将来的には、安定して多くの人が参加するサウジアラビア・メッカへのハッジ(巡礼)、ウムロ(小巡礼)に対応した商品も用意していく方針だ。
 同社はCIMBニアガ銀行と保険商品の窓口販売で提携しており、シャリア金融でローンを組む人の保険加入も見込める。シャリア保険による収入が、売り上げ全体の10%を占める状態を目指していく。
 シャリア保険はイスラム法(シャリア)に則した保険でタカフルともいう。シャリアでは、従来保険業は投機行為や利子の収受などに当たるなどの理由から禁じられてきた。そこで「相互扶助」の概念からファンド(加入者基金)を作り、事故発生時には「喜捨」という意味で保険金に該当する資金が支払われるシャリア保険が取り入れられてきて、概ね年率10%以上のペースで成長してきた。

■ホンダ代理店と提携
 同社は自動車向け事業拡大にも取り組んでいる。このほど、中部ジャワ州のホンダの正規ディーラーと自動車保険提供の覚書(MOU)を締結したと発表した。6カ月間、全損のみ保障という内容の保険を提供する。6月からの実施を予定。
 同州プルウォクルトとチラチャップの2店舗で、4輪車を現金で購入した顧客が対象。補償内容の拡充は顧客が差額分を自己負担すれば可能となる。
 同社が自動車保険の拡販を進める中で、ディーラー側からサービス向上施策の一環として要請を受け、MOUを締結したという。
 同社は日産自動車とダットサン、ウーリンの2社・3ブランドの自動車メーカー専用のブランド保険を取り扱っているが、ディーラーと契約を結ぶケースは多くなく、拡販に向けた新しい取り組みといえる。(平野慧、大野航太郎)

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