モスクでブカ・プアサ 中央ジャカルタ 1200食を一斉に
17日に始まったラマダン(断食月)。翌18日はラマダン最初の金曜となり、各地のモスクには大勢のムスリムが集まった。中央ジャカルタ区メンテンにあるチュット・ムティア・モスクでは18日、ブカ・プアサ(1日の断食明け)用の弁当1200食が配られ、午後5時47分のアザーン(礼拝の呼び掛け)の後、一斉に食事を始めた。
収容人数約2千人の同モスクは家族や友人らと訪れたムスリムたちであふれ、礼拝用のマットがモスクの外にも敷かれていた。
モスク周辺にはちまきに似たロントンや揚げ豆腐、タピオカ飲料店など15の出店が並んだ。訪れた人は、配布された弁当とともに好きな食事や飲み物を十数時間ぶりに楽しんだ。
同モスク事務所で働くプジヨノ・サソンコさん(55)は「いつどこでテロが起きるか分からない状況になってしまったが、神聖なラマダンには何も起こらないと信じている」と話し、監視カメラを常時確認する人を配置して警備を強化していると説明した。
■各地で食事配布
中部ジャワ州スマラン市のジャミ・プコジャン・モスクでは18日、同モスク特製のおかゆ、ブブル・インディアが配られた。同モスクで長年おかゆを作っているのはアナス・サリムさん(76)。香辛料商人としてインドからこの地に渡ってきた祖父からレシピを受け継ぎ、毎年ラマダンの時期にオリジナルのおかゆを無料配布しているという。
また、アチェ州バンダアチェ市のフルカン・モスクで17日、アチェ伝統料理「カンジ・ルンビ」が作られた。カンジ・ルンビは米を約30種類の香辛料や野菜、ハーブやココナツミルクと一緒に煮込んだ伝統のおかゆ。ラマダン期間中は同州各地のモスクでこのおかゆが作られるという。
ジョクジャカルタ特別州のジョゴカリヤン・モスクはブカ・プアサ用の食事2500食を無料で配布する。17日、同モスクにはジョクジャカルタ特別州警察署長らが集まり、ブカ・プアサを市民と共に過ごした。(上村夏美、坂田優菜)