ムスリムに配慮を アバック ラマダンセミナー開催

 南ジャカルタのブロックMにある語学学校「アバック(ABAC)は17日、同校で日本人駐在員や家族向けに「断食、断食明け大祭セミナー」を開いた。ことしで5回目を迎える同セミナーには、4月からインドネシア生活を始めた主婦を中心に8人が参加した。
 同校の水谷明澄校長が講演を担当。サフール(日の出前に取る断食前の食事)やブカ・プアサ(1日の断食明け)など、ラマダン(断食月)時における1日の様子を解説した。
 ラマダンの期間は周りのムスリムに気配りが必要だ。午後6時ごろのブカ・プアサ前には、運転手やメードには手を休ませ、「やむを得ず仕事をしてもらうなら、市販の甘いお茶やお菓子を勧めると良い」と話す。ラジオでブカ・プアサを知らせる放送を聞くことができ、運転中などにチェックできるという。
 注意点としては午後4〜5時ごろの交通渋滞の悪化を挙げた。日没を家族と過ごすために、多くの人が移動することが原因だ。
 レバラン(断食月明け大祭)1週間前になると、運転手やメードにレバラン賞与(THR)を渡す場合がある。「会社からもらっているケースもあるが、個人の場合は基本給1カ月分を目安に渡すと良い」と具体例を示しながら説明した。近年では「前任の人よりボーナスが少ない」「帰省のためもっとお金がほしい」と言われるなど金銭トラブルも起こっているという。
 レバラン休暇中はタクシーがつかまりにくく、飲料水やプロパンガスの供給が2〜3週間滞ることも。「ストックを十分に用意しておきましょう」と語りかけた。
 参加者からは治安を心配する声もあった。水谷校長は「レバラン前は帰省のためにお金が必要になり、泥棒、置き引きの被害が増える。警察の取り締まりも増え、パスポートや暫定滞在許可証(KITAS)の不携帯を理由に不当にお金を要求されることがあるため、常に携帯するべき」と注意を促した。
 来イして2カ月だという主婦は「運転手やメードはムスリムの方なのでラマダンについて知っておこうと思った。インドネシア在住が長く、詳しい方から情報を聞けてよかった」と感想を語った。
 水谷校長は「生徒やセミナー参加者からの質問を踏まえ、ことしは治安やTHRについての情報を増やした」とセミナーを振り返った。
 同校では9月上旬にも秋に赴任する人や家族を対象にインドネシア生活の注意点を伝える「新生活セミナー」を開催する予定。(泉洸希、写真も)

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